「同国立公園に住むイノシシにおけるこのような汚染濃度は、懸念の原因になります」と本研究の共同筆頭著者で、現在ジェイムズ・ハットン研究所で博士研究員を務める分析生化学者のビクトリア・ミュラーは言った。ミュラーはグラーツ大学の大学院生だった時にこの研究を始めた。
「今やPFASはどこにでもありますが、濃度が食品中の人体摂取許容量を超えていること、そしてイノシシの肉と内臓が人間によって消費されていることを踏まえると懸念すべきことです」とミュラーは説明した。
ドイツ北東部の農村地帯に住むイノシシから採取された別の体内組織を調べた過去の複数の研究と比べて、ボヘミアンフォレスト国立公園のイノシシは2倍のPFASを含んでいた。しかし、なぜこのイノシシたちはそれほど濃厚に汚染されたのだろうか?
「同公園内の濃度が高かった理由を正確に突き止めるにはより大規模な研究が必要です」とミュラーは答えた。
「同公園で見つかったタイプのPFASのプロファイルは、一般的な『バックグラウンドレベル』のものと一致していることから、大気降下、たとえば雨や風によるものであることが示唆されます。しかし、私たちが発見した濃度の高さは、より深い調査が必要であることを示しています」
出典:Till Schröder, Viktoria Müller, Marc Preihs, Jan Borovička, Raquel Gonzalez de Vega, Andrew Kindness, and Jörg Feldmann (2024). Fluorine mass balance analysis in wild boar organs from the Bohemian Forest National Park, Science of The Total Environment 922:171187 | doi:10.1016/j.scitotenv.2024.171187
(forbes.com 原文)