先にやってくるのが「小惑星2011 UL21」だ。直径が1.6km以上あり、現在知られている多数の地球接近天体(NEO)全体の99%よりも大きい。NEOは太陽を公転している間に、地球の公転軌道から約4500万kmの範囲内に入る天体のことだ。
小惑星2011 UL21は、協定世界時(UTC)27日午後8時14分(日本時間28日午前5時14分)に地球に最接近する。その大きさに加えて、地球に接近する軌道を持つことから必然的に「潜在的に危険な小惑星(PHA)」に分類されるが、今回特に接近する際にも依然として地球から月までの距離の17倍以上離れているため、地球に対する差し迫った脅威については心配する必要は全くない。
このサイズの小惑星との接近遭遇は、発生頻度が10年に1回程度と予測されているため、多くの天文学者やアマチュア天文家が観測を計画している。天体観測サイトのVirtual Telescope Projectは、関心のある人向けにYouTubeでライブ配信による観望会を開催する予定だ。
欧州宇宙機関(ESA)は、小惑星2011 UL21のもう1つの興味深い特徴について指摘している。地球と「11:34の軌道共鳴」にあることだ。これは、地球がちょうど34回公転する(34年)間に2011 UL21が11回太陽を周回することを意味する。これにより両天体の位置関係を利用して、すてきな幾何学模様を描き出すことができる。
より地球に接近
山ほどの大きさの小惑星2011 UL21が飛来してから約2日後、サイズははるかに小さいが、それでも珍しい小惑星が、月の軌道よりもさらに地球の近くを通過する。この「小惑星2024 MK」は、協定世界時(UTC)29日午後1時45分(日本時間29日午後10時45分)に地球に最接近する。2024 MKは、10日ほど前に発見されたばかりで、野球場くらいの大きさがある。これほど大きな小惑星が、月よりも地球の近くまで接近するのは珍しい。通常は数年に1回程度しか確認されない。
2011 UL21と同様、この2024 MKも、衝突の恐れがある距離からは依然として数十万km離れており、何の危険も及ぼさない。だが万一このような小惑星が地表に到達すると、甚大な被害をもたらす可能性が高いだろう。