こうした中、フロム・ソフトウェアは意外にも、DLCの難易度を下げる新パッチをリリースした。その内容は、「影樹の加護」による攻撃力とカット率の強化率を、以下のように調整するものとなっている。
・前半の強化率上昇が高めになるよう、上昇曲線を調整
・最大強化時の強化率をわずかに上方修正
特に重要なのが、1つ目の変更だ。加護のレベルを最大まで上げるにはマップ上の「影樹の破片」をすべて見つける必要があるが、それは至難の業であるため、2つ目の変更はそれほど重要ではない。私は「影樹の加護」レベル14あたりで最終ボスに到達した。他の人は、もっと早い段階で到達できるだろう。つまり、今回の調整によって、DLCの大部分の難易度が下がったことになる。ただ、具体的にどの程度変わったのかはわからない。
フロム・ソフトウェアはなぜ今回の調整を行ったのか? PCゲームプラットフォームのSteam(スチーム)でのDLCの総合評価は「賛否両論」となっており、多くのプレイヤーは低評価の理由として難易度の高さを挙げていることは事実だ。だが筆者は、今回の調整がデータに基づいたものだったのではと考えている。
フロム・ソフトウェアは、DLCを人々がプレイしてくれることを望んでいる。おそらく、少なからぬ数のプレイヤーが早々にやめてしまったり、特定のボスとの戦いで行き詰まってしまったりしていることを示すデータがあるのではないか。
DLCの舞台となる「影の地」でキャラクターを強化するには「影樹の破片」が必要であることは何度も強調されているものの、多くのプレイヤーは、難易度の高いコンテンツを攻略するためにはマップを探索してより多くの「影樹の破片」を見つける必要があるということを理解していないのではないだろうか。だが今回のパッチにより、以前よりも少ない数の破片でキャラクターを強化できるようになったのだ。
ゲームにどのような調整をするかはスタジオ側の自由であるが、私は今回のパッチに少し驚いている。DLCが非常に難しいと感じている人を否定するつもりはない。DLCは、確かに難しい。ただ私が思うに、一番の問題は、既存のキャラクターがDLCでも通用すると思い込んでいる人々が、DLCマップでキャラクターを強化する方法を知らないことだ。DLCでのキャラクター強化は、おそらく7割が「影樹の加護」によるものだ。
私が希望する難易度調整があるとすれば、ほぼすべての召喚霊体の強化だ。特にDLC後半はどの霊体も、ある程度強いボスにすぐやられてしまうように感じる。唯一の例外である「写し身の雫」はほかの霊体、たとえば「黒き刃、ティシー」と比べても、HPと攻撃力がいずれも3倍はあるように思える。だが今回のパッチでは、調整が行われたのは「影樹の破片」のみとなっている。
(forbes.com 原文)