同時に、この動画や、鹵獲した亀戦車を映したウクライナ側のいくつかの動画から、亀戦車が実に粗雑な代物であることも浮き彫りになっている。亀戦車の追加装備は、寄付による資材や文字どおりの廃品を組み合わせてつくられているのだ。
今月上旬、ウクライナ軍の第22独立機械化旅団は、T-62戦車改造型の亀戦車を乗員2人もろとも捕らえた。この亀戦車を詳しく調べたウクライナ軍のセルヒー・ミスユラ中佐は、その欠点をこう列挙している。「操縦士はほとんど何も見えない。砲塔は固定されている。弾薬も積まれていないので、主砲はそもそも射撃できない」
The Ukrainian Army released an extensive video of the infamous Russian turtle tanks. They are far worse than expected.
— (((Tendar))) (@Tendar) June 22, 2024
Underneath that garbage is an old T-62M. The gun is not operational, there is no ammunition and the turret is locked in place. The panels are sheet metal… pic.twitter.com/s33mm5zg5w
この亀戦車をウクライナ側の陣地まで持ち帰ったウクライナ軍の戦車兵は、走行中、ガタガタとひどい音を立て、煙まで出たと振り返っている。ミスユラは、「ロシア現代工学の傑作」であるこの亀戦車は「目が見えず、うるさく、愚かだ」とこき下ろしている。
戦車兵も「このハードウェア（ベース車両のT-62）は退役させるべきで、無理に現役で使うべきではありません」と語っている。だが、ウクライナ側のドローンが性能を高め、数もますます増え、除去すべき地雷も無数に残るなか、ロシア側は亀戦車をさらに増やそうとしている。よい代案がないというのが主な理由だろう。
第218連隊のロシア兵は動画のなかで、その場にある亀戦車数両を映しながら「引き続きこれらすべてに（鎖などの装備を）追加し、溶接していきます」と述べ、こう続けた。
「わたしたちはすでに多くを成し遂げました。ありがとう、皆さん。勝利はわたしたちのものです」
（forbes.com 原文）
