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2024.06.29 14:00

iPhoneユーザーに対して間接的にChromeの安全性を警告するアップルの広告

実際、グーグルは窮地に立たされている。Safariが単なるブラウザであるのに対して、Chromeはグーグルの1兆ドル(約160兆円)規模のマーケティングエンジンのフロントエンドだ。別の方法で追跡する代替手段を見つけることなく、デフォルトで追跡をオフにすることなどできない。それは金の卵を産むニワトリを殺すだけでなく、業界全体にわたる騒動を引き起こすことにもなる。昨今のCookie追跡廃止にまつわるやりとりを見ればわかるだろう。

Safariは完璧ではないが、異なる考え方で設計されている。「Safariもユーザー行動を追跡できるが、ユーザーとそのアイデンティティを守るためによりよい設定を提供している」とムーアはいう。Chromeほど豊富な機能はなくても、独自のセールスポイントとしてプライバシーを掲げるFirefox、Braveといった小規模の競合相手と正面から戦うことができる。

このChromeとSafariの関係は、グーグルがiPhoneのデフォルト検索エンジンの地位を確保していることによって複雑なものになっている。しかし、Safariの中で検索する方が、同じ検索エンジンをChromeで使うよりもはるかにプライベートな体験となる。

実際、Chromeを使う特別な理由がない限り、iPhoneユーザーはSafariをデフォルトにしておくべきだ。そのままでもかなりプライベートなものだが、SafariのプライベートブラウズはChromeのシークレットモードよりずっと優秀であり、Chromeと違いタブ、セッション間でもトレースも消去している。

「シークレットウィンドウを開いているときに別のウィンドウを開くと、シークレットブラウジングセッションはその新しいウィンドウでも継続されます。シークレット モードを終了するには、すべてのシークレット ウィンドウを閉じます」とグーグルは説明している。これをSafariと比べてみよう。「1つのタブで開始された閲覧と別のタブで開始された閲覧はそれぞれ独立しているため、表示しているWebサイトは複数のセッション間でユーザをトラッキングできません」とアップルはいう。

この小さなディテールが違いを端的に表している。これは、何よりも大切なアップルの哲学だ。アップルのサンフランシスコの広告看板は些細なことに思えるかもしれないが、その背後には多くのことが存在している。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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