この事実が最近、アップルが地元で起こしたプライバシー保護キャンペーンの背景にある。SFGateによると、アップルはサンフランシスコで最も目立つ広告看板の1つを新たな広告キャンペーンに変更した。この広告には、同じベイエリアのライバル企業に対する批判が含まれているようだ。
アップルが、Safariについて「実際にプライベートなブラウザー」だと表現する際、ライバルとなるグーグルのChromeに対して、きわめてストレートな警告も発していることになる。
Apple takes shot at Google with prominent San Francisco billboard https://t.co/urwoVkwrZv
— SFGATE (@SFGate) June 24, 2024
警告そのものに驚きはない。はっきりさせておくと、もしあなたにとってプライバシーの保護が優先事項であるなら、Google Chromeをデフォルトにしている可能性は極めて低いだろう。Chromeの通常モードにおけるCookieの追跡がしぶとく生き残っており、準プライベートな「シークレットウィンドウ」は、実際のところどれだけシークレットなのか未だにわかっていない。
セキュリティ関連ソフト開発会社、ESETのジェイク・ムーアは次のように説明している、「グーグルは今年の初め、Google Chromeではシークレットモードを使っている場合でも、ユーザーのデータを収集していることを明らかにした。個人データは企業にとって価値が高く、利用規約を理解することがあまりにも困難な今、ユーザーが企業の意のままにデータ収集を許すことは実に簡単なことです」
「もちろんグーグルに対する直接的な言及はないものの、この広告がシリコンバレーの巨大テック企業と人気のChromeに対する問いかけでないと解釈することは不可能だ」とSFGateが新しい広告について書いている。
ChromeのCookie追跡は、少なくとも2025年の初めまで続く。その後はユーザーの検索履歴を横断するある種のAI検索や、プライバシーサンドボックスと呼ばれる、Cookie追跡を置き換え、多少ましにはなるが同じ目的のものに代わることを最近の報道は示唆している。
その一方で、Chromeは実に優れたブラウザであり、高速化や多機能化で常に新しいオプションが追加されている。ユーザー数が30億人に近づいているのも驚きではない。しかし、Chromeのフロントエンドを支える複雑なエンジンは、近年、ChromeではアップルのSafariをはるかにしのぐ脆弱性が悪用され、注目を集めている。先月は4件のChromeのゼロデイ脆弱性が発見され、今月はブラウザの拡張機能が攻撃を受けている。