フェラーリが解釈する、現代的ラグジュアリーとは
もちろんそのためにマラネッロは社会環境=レギュレーションに合わせた新しいV12エンジンを開発し搭載した。ベースとなったのは812コンペティツィオーネという限定モデルに積まれた12気筒エンジンだったが、吸排気システムやマネージメントの改良によって最新の規制に適合させている。「12気筒エンジンのないフェラーリはありえません。また12気筒を欲しいと思ってくださるカスタマーが世界中におられます。今後もレギュレーションに合わせた、けれども高性能でエモーショナルな12気筒エンジンを開発し続けます」と、カランド氏は明言した。
12チリンドリの個性は乗る前から際立っている。フロントマスクからサイドにかけてのデザインは70年代の名馬を彷彿とさせる一方で、リア斜め上からの眺めはまるで宇宙船のような未来感に満ちていた。デザイン的にもまさに過去と未来を繋いでいるのだ。無条件に人をワクワクさせるスタイルだと言っていい。
「見る人に感動を与え、乗る人には笑顔をもたらす。鳥肌の立つような驚きといったエモーショナルな体験こそラグジュアリィな製品に最も必要とされているのです」(カランド)。
フェラーリジャパン代表取締役社長のドナート・ロマニエッロによると、「日本のマーケットでも魅力あるラグジュアリィを求める若い層が増えています。フェラーリの顧客も4割近くは新規のお客様になり、そのうち1/3は40歳以下です」、とマーケットの成長をアピールする。
商品と顧客。双方の新陳代謝が過去と未来を繋いでいく。ハイエンドなラグジュアリィブランドの理想的な企業戦略のお手本がフェラーリというわけだ。
フェラーリ・ジャパン
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