アジア

2024.06.26 13:00

インドのiPhone工場で「既婚女性の雇用差別」の疑い、米報道

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アップルの主要サプライヤーである台湾のフォックスコンは、インドにあるiPhoneの主要工場で、既婚女性を組み立て工程から排除しているとロイターが米国時間6月25日に報じた。しかし、インドでのiPhone製造の拡大を目指す同社は、この報道を否定している。

フォックスコンは、既婚女性が未婚の女性に比べてより多くの負担に直面することを理由に、インドの主要工場で既婚女性を雇用していないと、S・ポールと名乗る元人事担当幹部がロイターに語った。ロイターは、この主張がフォックスコンの採用エージェンシーに勤務する17人の従業員と、4人の現役および元人事担当幹部らによって裏付けられたと述べている。

フォックスコンは、このようなガイドラインを採用エージェンシーに伝えており、情報筋は、妊娠や欠勤、家族への責任、そしてヒンドゥー教徒の既婚女性が身に着ける伝統的ジュエリーが製造の妨げになる可能性などを、除外の理由に挙げている。

インドのiPhone工場は、人員が足りない場合や増産時には既婚女性も雇用しており、2022年にアップルとフォックスコンは採用慣行の問題を認めたとされるが、ロイターのこの調査は2023年1月から2024年5月にかけて行われたという。

フォックスコンはフォーブスに宛てた声明で、「婚姻状況や性別、宗教、その他の理由に基づく雇用差別という主張を断固否定する」と述べている。同社はさらに「直近の採用では女性の約25%が既婚者であり、既婚女性は当社の施設で勤務する際に、伝統的な金属製ジュエリーを身に着けていても歓迎される」と付け加えた。

アップルの広報担当者は、フォーブスのコメント要請に直ちに返答しなかった。

アップルとフォックスコンの企業方針は、婚姻状況に基づく差別を禁じているが、この慣行はインドの法律では禁止されていないとロイターは伝えている。フォックスコンの雇用慣行が厳しい監視にさらされるのは初めてではない。2010年には、同社の中国にある2つの工場で労働者の自殺が相次いだことが報告された。また、アップルの別の請負業者であるウィストロンは、2020年にインド南部のカルナータカ州にの工場での不公正な労働慣行を非難された。

インドはアップルの主要な製造拠点であり、同社は今後2~3年の間にインドでのiPhone製造を年間生産台数の約4分の1まで拡大したい意向だと昨年12月に報じられていた。フォックスコンも、インドでの事業拡大を計画しており、バンガロールに今年工場をオープンする予定だ。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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