ヘルスケア

2024.06.26 09:30

「普通のインフルより1000倍危険」 鳥インフル大流行ならゴーグルも必須に?

テンプル大のボニはパンデミックへの備えについて「適切な行動は、単純に数億回分のワクチンをあらかじめ製造しておき、準備しておくことだと思う」と話している。セキーラスは5月、米保健福祉省から鳥インフルのパンデミックに備えたワクチンを製造する一社に選ばれ、ワクチン500万回分近くを米政府に納入すると発表している

RTインターナショナルのビザンツィオは、新型コロナのパンデミックでは「誤った情報が多数出回り、それがワクチンの接種を進めるうえで問題を引き起こし、接種を忌避する人も出た」と述べ、公衆衛生当局と国民の間のコミュニケーションを改善する必要性を指摘した。

肉や卵、乳製品は安全なのか

CDCの最新データによると、2022年1月から2024年6月24日までに、米国の48州で計9700万羽あまりの家禽(主に鶏)が鳥インフルエンザのため殺処分され、12州で121の乳牛群で感染が確認された。鳥と違って、乳牛は鳥インフルウイルスに感染しても大半が回復するようだ。

米農務省は、乳牛での鳥インフルのアウトブレイクは渡り鳥が持ち込んだウイルスが原因とみている。

専門家はウイルスが変異してヒトの間でも広がりやすくなるのではないかと警戒している。WHOの主任科学者であるジェレミー・ファーラーは最近、米国での牛の感染などに「大きな懸念」を示し、ウイルスがさまざまな経路で感染するように進化を遂げる可能性もあるとして、保健当局に引き続き状況を注意深く監視するよう求めた。

感染した肉を食べたヒトが鳥インフルに感染したことは確認されていないものの、農務省は安全な温度で調理された肉を食べるように呼びかけている。適切に調理するには、牛肉の塊肉なら内部の温度で約63度、挽き肉は約71度、鶏肉は約74度が必要とされる。

CDCによると、卵は内部温度約74度で適切に調理すれば、鳥インフルウイルスを含むウイルスやバクテリアがあっても死滅する。低温殺菌されていない乳製品の摂取も避けるよう勧告されている

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事