欧州委員会は、アップルのApp Storeのルールが、アプリ開発者が消費者を自由に別の販売チャネルに誘導することを妨げていると主張し、同社がアプリ開発者と結んだ新たな契約要件についてもDMAに違反している可能性があるとして、新たな調査を開始した。
DMAの下では、アップルを含む巨大プラットフォームは、アプリ開発者が追加の手数料をプラットフォームに支払わずに、消費者をアプリストア外のオファーに誘導し、購入を行えるようにする必要がある。
しかし、欧州委員会によると、アップルはこの規則を遵守しておらず、開発者はアプリ内での価格情報の提供や他のオファーを促進するための顧客とのコミュニケーションを禁じられている。アップルはまた、顧客が同社のアプリ内課金以外の方法でコンテンツを購入したい場合に、顧客を別のウェブページに誘導して課金を行う、リンクアウトという方法を通じた課金のみを許可している。
欧州委員会はまた、開発者がApp Storeを通じて新規顧客を獲得した場合にアップルが請求する手数料が、必要な限度を超えているとも指摘した。
「開発者コミュニティと消費者は、アップルがApp Storeの代替手段を提供することを強く望んでいる」と同委員会は述べ、アップルが開発者に提示した新たな契約条件が、DMAの要件を満たしているかを調べる調査を開始すると発表した。この調査には、年間100万回以上ダウンロードされたアプリの開発者に1ダウンロードあたり0.5ユーロの手数料を課す「コアテクノロジーフィー」や、iPhoneにApp Store以外のストアからアプリをインストールする場合のプロセスに関するものが含まれる。
アップルがDMAの要件に違反していると判断された場合、欧州委員会は、同社の世界全体の総売上高の最大10%の罰金を課すことができる。違反が繰り返された場合、この罰金は20%に増加する可能性があり、さらに企業の一部の売却を強制したり、新たな買収を禁止したりすることもできる。
アプリ開発者の自由な選択と公平な競争の促進を目指す非営利組織のThe Coalition for App Fairness(CAF)は、この決定を歓迎している。
「欧州委員会の調査結果は、アップルの偽のDMA準拠計画が法律に違反していることを確認した」と、CAFの代表は述べている。
「アップルは指摘された慣行を調整する、もしくは、欧州委員会の厳しい措置に直面することになる。私たちは、アプリのエコシステムに選択肢と競争をもたらすために、欧州委員会と協力し続ける」とCAFは続けた。
(forbes.com 原文)