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2024.06.25 10:00

【米国株ウォッチ】「世界一高価な企業」にもなったエヌビディアの見通し

Andrej Sokolow/picture alliance via Getty Images

エヌビディア(ティッカーシンボル:NVDA)は、AIブームが主導したGPUの需要急増と最近の株式分割にも牽引され、一時、世界で最も高い時価総額を持つ企業となった。米国時間6月21日時点での時価総額は約3兆1100億ドル(約497兆円)だ。

エヌビディアには多くの魅力がある。企業は、より多くのAIタスクを実行するために、従来のデータセンターをGPUを使用したアクセラレーテッド・コンピューティングに適したものに移行しようとしている。エヌビディアのアクセラレーテッド・コンピューティング・チップは、AMDやアルファベットのGoogle Tensorプロセッサなどのライバル製品を性能面で大きく引き離している。

同社の2025年度第1四半期の売上高は前年同期比3倍以上の260億ドル(約4兆1000億円)、純利益は7倍以上の149億ドル(約2兆3000億円)だった。見通しも好調で、2025年度第2四半期の売上高のガイダンスによると、約280億ドル(約4兆4000億円)と、市場予想を上回り前年同期比で約2倍となる見通しだ。エヌビディアによると、同社の新型半導体であるH200と、次世代アーキテクチャのBlackwellを採用するチップに対する需要は、供給能力を大きく上回っており、来年にかけては供給が需要に遅れる見通しだという。

さらに、OpenAIなどが発表した初期のAIモデルは主にテキストベースであったが、そうしたAIモデルはますますマルチモーダル(音声、画像、動画、3Dなども扱う)になり、より高い演算能力が求められるようになっている。こうした流れは、近い将来のGPU需要を支える可能性がある。

株価パフォーマンス

NVDAは2021年1月初旬の13ドルから現在の126ドル前後の水準まで、約860%という非常に強い上昇を遂げている。しかし、NVDAの上昇は一貫しているとは言い難い。株価のリターンは2021年に125%、2022年にマイナス50%、2023年に239%だった。これに対し、S&P 500種株価指数のリターンは2021年に27%、2022年にマイナス19%、2023年に24%であり、NVDAのパフォーマンスは2022年にS&P500を下回った。
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翻訳=江津拓哉

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