米英で出現する「謎のモノリス」、アート集団の売名行為か？

米ラスベガス警察は6月21日、同士市北部のハイキングコースで発見された「謎のモノリス」を撤去したと発表した。米国では近年、このモノリスと同様な鏡張りの金属柱が発見されるケースが相次いでおり、その出現の背後にいる人物や設置の目的についての疑問が高まっている。

ラスベガス警察は20日のX（旧ツイッター）の投稿で公共の安全と環境への懸念を理由に、ラスベガスの北約32キロに位置するネバダ砂漠野生生物保護区の近隣で見つかった構造物を撤去したと発表した。

警察は、このモノリスが表面が鏡のように反射する金属で作られた高さ約2メートルの三角柱で、鉄筋とコンクリートで地面に固定されていたと説明した。当局はこの物体を非公開の場所に運び、適切な処分方法を検討しているという。

今年3月には英ウェールズでもモノリスが発見されたが、その構造物は今回のラスベガスのものより大型で、高さが約3メートルだった。

モノリスの目撃情報を集める非公式のサイトの「モノリス・トラッカー」によると、ラスベガスのモノリスが最初に発見されたのは2020年12月とされており、この構造物は数年前から存在していた可能性がある。このサイトには、今回ラスベガス警察が撤去したものと同一と思われるモノリスのユーチューブ動画へのリンクが貼られている。



モノリス・トラッカーには、2020年以降に245件のモノリスの目撃情報が寄せられているが、そのうちのいくつが法執行機関によって確認されたかは不明だ。

最初に注目を集めたモノリスは、2020年11月にユタ州で発見された高さ約3メートルのものだった。このモノリスは、発見からわずか10日後に撤去された。また、直近では3月に英ウェールズの建築業者が、ハイキング中に丘の上にあるモノリスを発見した。このモノリスは、クルマが入れない泥だらけの場所に置かれていたため、その建築業者はそれが何者かによってヘリコプターで運ばれたと考えた。

ネット上では、これらのモノリスが宇宙人の仕業ではないかという憶測も飛び交っているが、一部では単なる悪ふざけやアート集団の仕業という見方も浮上している。「The Most Famous Artist」と名乗るニューメキシコ州のアート集団は、英国やルーマニア、ユタ州で発見されたモノリスについて、自分たちの作品だと主張しているが、このグループはモノリスへの関心の高まりを利用して利益を得ていると見られている。

彼らはかつて、ウェブサイト上で「Authentic Alien Monolith（本物のエイリアンモノリス）」と名付けたモノリスを4万5000ドル（約720万円）で売りに出し、売却に成功していた。

（forbes.com 原文）