暗号資産

2024.06.24 13:00

トランプが「ドル崩壊」を警告、暗号資産関連のポッドキャストで

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トランプ前米大統領は、米ドルが世界の準備通貨としての地位を失う可能性があると警告した。暗号資産の普及を後押しするハイテク投資家のチャマス・パリハピティヤらが主催するYouTube番組『All-In Podcast(オールイン・ポッドキャスト)』に6月21日に登場したトランプは、各国の政府が米ドルを手放していると述べ、米ドルが国際貿易における優位性を失うことは「戦争に負けるのと同じだ」と付け加えた。

前大統領のこの発言は、暗号資産取引所のジェミナイを創業したビリオネアのウィンクルボス兄弟が、200万ドル(約3億2000万円)相当のビットコインをトランプ陣営に献金したと発表した直後のことだった。

「米国は大きな貯金箱だが、我々の貯金箱はどんどん小さくなっていく。なぜなら、我々は力を失いつつあるからだ」とトランプは語った。「多くの国がドルを使わなくなっている。彼らはハエのように去っている。もしそれを失えば、戦争に負けるのと同じことだ。それは信じられないことだ」
トランプは、ロシアや中国、イラン、サウジアラビアが米ドルからの切り替えを主導していると指摘し、国際通貨基金(IMF)が先週、中央銀行と政府の外貨準備のうち、米ドルの割合が顕著に減少していると警告したことにふれた。

「サウジアラビアは、今ではドル以外のさまざまな通貨を使用する意向を持っている。これは悲劇であり、我々の国に対する大きな事態だ。これを許してはならない」とトランプは語った。

トランプは6日にパリハピティヤらがサンフランシスコで開いた資金集めのイベントで、「私は熱心な暗号資産の推進派だ」と売り込み、1200万ドル(約19億円)を集めたと報じられた。このイベントに参加したハイテク企業の経営幹部で、トランプ政権時に駐オーストリア大使を務めたトレバー・トライナによると、トランプはこの催しで、「クリプト(暗号資産)の大統領になる」と宣言したという。

かつては暗号資産に懐疑的だったトランプは、5月下旬に暗号資産を支持すると宣言し、ビットコインなどの暗号資産による政治献金の受け入れを開始した。

今月初め、ニューヨーク連邦準備銀行は、『外貨準備におけるドル比率の低下、中央銀行による金保有の役割の増大』という報告書を発表した。ワールド・ゴールド・カウンシルのデータによると、2022年に世界の中央銀行は前年の2倍以上の1100トン以上の金を購入し、2023年も同様の購入レベルを維持したという。

「連邦準備制度(FRB)は今、一部の国が金に移行していることを認めている」と、テック投資家で元コインベースの最高技術責任者(CTO)であるバラジ・スリニバサンはX(旧ツイッター)に投稿し、FRBが「3億人を代表する少数のグループが移行している」と述べていることを指摘した。つまり、世界の37.5%がドルから金に資金を移行していることになる。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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