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2024.06.28 08:00

オンライン教育大手コーセラのデータから見る「AI教育の勝者と敗者」

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生成AIスキルの開発競争は激化するなか、オンライン教育サービスのCoursera(コーセラ)はどの国がその競争で先行し、どの国が後れを取っているかを明らかにした。

多くの主要経済国が競争相手に大きく遅れを取っており、アメリカもその一つだ。

2022年11月にOpenAIのチャットボットChatGPTがリリースされて以来、生成AIスキルの需要が急増した。

世界で1億4800万人の学習者を擁するコーセラは、グローバルなトレンドを把握する上で有利な立場にある。同団体が2024年に発表した『2024年版グローバルスキルレポート』によると、生成AIを学ぶコースへの登録は前年比で1060%増加したという。この急増は、雇用主と従業員の双方が必要なスキルを身につけたいという熱意を反映している。

コーセラのチーフコンテンツオフィサー、マーニ・ベイカー・スタインは、「この分野に対する関心の高まりは驚くべきものです」と述べる。

「2023年には毎分1人がコーセラの生成AIコースに登録していましたが、今年はその4倍です」

学習者は、単に興味を持った人や、夕食会や旅行の計画に利用したい人から、技術を探求するコンピュータサイエンティストまで様々だと彼女は付け加えた。「この技術は非常に身近なものです」と彼女は言う。「そして、この技術の特筆すべき点は、ほぼすべての職種において生産性と創造性の両方にプラスの影響を与える可能性があることです」

しかし、全体的な数字の裏側では、生成AIスキルを労働力に身につけさせる点で、一部の国々が他国を大きく上回っていることが明らかとなっている。

アメリカにおける生成AIコースへの登録者数の増加率は、1058%と世界平均を少し下回っており、主要国に後れを取る。例えば、アジア太平洋地域全体では1270%増加し、インドは1648%増加してトップクラスの一つだ。アメリカ大陸における他の国々では、メキシコとブラジルもそれぞれ1091%と1079%の増加を記録した。

コーセラによるグローバルスキルレポートの分析によると、米国の順位は69位だった。この分析は、オンラインコースの習熟度と、労働力参加率や一人当たりGDP(国内総生産)などの外部要因を組み合わせたものだ。このランクの上位3位はスイス、日本、ドイツが占めている。
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翻訳=酒匂寛

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