エキゾチックな食べ物を堪能するパッケージツアーを売り出している旅行業者も数多くある。また、風変わりな、あるいはすばらしい食べ物を紹介するブロガーやインフルエンサーたちは、より多くの再生回数を獲得している。
こうしたことから、「何でも食べてみよう」と考える人も増加している。だが、それがいつでも良い考えというわけではない。体が未知のものを受け付けないかもしれない。それどころか、本当に健康を害することになる可能性もある。
そうしたリスクについて警鐘を鳴らすため、International Drivers Association(国際運転免許証協会、IDP)は「食べる前によく考えるべき世界の食品10」リストを公表している。以下、それらの「食品」を紹介する。
1. フグの卵巣/フィリピン
日本では人気の食材だが、猛毒のテトロドトキシンを持つことから、流通が厳しく規制されている。一方、フィリピンではあまりよく知られた魚ではなく、その卵巣が珍味としてひそかに取引されている。そのため、テトロドトキシンのリスクは日本に比べてはるかに高い。2. Hoochero/ベネズエラ
サトウキビを発酵させてつくる「Hoochero」は、バーなどで飲むことができる酒とは異なり、大半が自家製。製造方法がそれぞれに異なることから、原料が特定できず、なかには命を脅かすほどのメタノールが使用されている場合もある。3. カース・マルツゥ/イタリア・サルデーニャ
世界で最も危険なチーズといわれる。熟成段階にあるこの地方原産の羊乳のチーズ、ペコリーノ・サルドの外皮を取り、チーズバエに卵を産み付けさせた後に密封。その中でかえったチーズバエの幼虫がチーズを食べ、排せつすることで発酵が進むと、強い香りと柔らかい食感が特徴のカース・マルツゥが出来上がる。焼きたてのパンとサルデーニャワイン「カンノナウ」とよく合うとされるサルデーニャの「伝統食」だが、うじ虫もいっしょに食べてしまうことに、健康上のリスクがあると聞いて驚く人はいないだろう。世界の大半の地域で、流通が禁止されている。
4. アフリカウシガエル/ナミビア
ナミビアでは、その年の「3回目の降雨の後」から食べるものとされている。雨季に入ってからというそのタイミングは重要で、それ以外の時期に食べれば腎不全を起こす危険があるという。原因は、アフリカウシガエルが一定の期間、体内に毒物をためていること。ネコくらいの大きさにまで育つこともあるこのカエルが持つ毒は、人間の命を脅かすのに十分な量となる。