休暇先でのんびりしながら仕事もこなす働き方は「ワーケーション」と呼ばれ、メリットもあるが、燃え尽き症候群にならないためには仕事から完全に離れる時間を持つことが肝要だ。特に、年に数回しか有給休暇が取れない場合、その重要性は高まる。
休暇中にもかかわらず働く理由としては、34%が「仕事が好きだから」と回答しているものの、26%が「上司の指示」、29%は「失職を恐れて」と答えた点が懸念される。
休暇は充電のための時間なのに、家族とくつろぐはずのひとときを仕事に費やすことに罪悪感をおぼえる人もいるだろう。休養すべきだと思いつつ、仕事をせずにいることが後ろめたく感じる人もいるに違いない。こうなると四六時中、仕事が脳裏をちらついて、ミーティングを欠席したりメールの返信が遅れたりすることを心配し、建設的なフィードバックを受け取ってもあれこれ考えすぎてしまいがちになる。たった1通のメールで、休暇は台無しになるのだ。
そのうえ不在中に取りこぼしがないようにしなければと身構えるため、出発前は仕事に追われ、帰ってくれば受信トレイやToDoリストがあふれかえっている。これでは何のための休暇なのかわからない。
休暇を取らないとどうなるか
調査では、約63%が休暇中に仕事のメールをチェックしないと不安になると答え、70%が働きすぎによるメンタルヘルスの悪化を経験していた。これは憂慮すべき数字だ。常に連絡が取れる状態にしておくというのは、成功に至る近道に見えるかもしれないが、その実、燃え尽き症候群や生産性低下につながる元凶だ。休暇中にも仕事から離れられないままだと、やがて心身の健康、創造性、意思決定、全体的な仕事のパフォーマンスに深刻な影響が出てくる。