経営・戦略

2024.06.27 16:45

建設業界の2024年問題、残業削減の効果は低め

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政府の働き方改革の推進で、先延ばしにされてきた物流や建設、医療機関などの時間外労働の上限規制厳格化が、2024年の4月から施行となった。なかでも生活に支障があるのではと懸念されていた「物流の2024年問題」が直前まで騒がれていたが、建設業界も同様の問題に直面していたことはいうまでもない。そんな建設業界の2024年問題について、クラウド型建設プロジェクト管理サービスを展開するアンドバッドが調査した。

それによると、時間外労働の上限規制厳格化について、「よく理解している」「少し理解している」を合わせて74.6%と前回2023年10月の調査より7.5ポイント上昇した。

残業抑制への取り組み状況については、「すでに取り組んでおり残業削減の効果が出ている」が27.0%と、前回より3.6ポイントの上昇にとどまっている。「すでに取り組み始めているが、効果はまだ出ていない」が21.3%、「現在取り組めていないが、今後取り組む予定がある」が19.6%とそれぞれわずかに上昇しているものの、実際に取り組んでいるところは過半数に満たない状況だ。

一方で、2024年4月の残業時間が45時間を超えると回答した人のうち、66.0%の人が4月の残業時間が「変わらない・増えた」と回答。時間外労働の上限規制厳格化が施行されても、まだまだ状況が変わらないという人がいることがわかった。

残業削減を目指すために、DX化の重要性については、「非常に重要」「やや重要」合わせて47.4%と半数弱。DXを進めるにあたり必要なこととしては、「誰でも使いやすいITツールやシステムであること」が44.7%とダントツで、「協力会社や職人の利用サポート」が22.7%、「社内で利用が浸透すること」が21.2%となっている。


単にITツールやシステムを導入しても、みんなが使えなければDXは進まない。導入するツールやシステムも重要だが、DXを推進して働き方を改革しようという従業員全体をやる気にさせる経営者の取り組みのほうが重要かもしれない。

出典:アンドバッド「時間外労働の上限規制に関する調査(2024年5月実施)」より

文=飯島範久

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