副業に週12時間ほどを費やす人は、月平均で1122ドル(約17万7000円)の収入を得ている。年間にすれば1万3000ドル(約205万円)以上であり、収入を増やしたい人にとってはうらやましい話だ。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は2024年5月、サンフランシスコに住むプロフェッショナル数人に、収入やインフレについて取材した記事を掲載した。
彼らの多くは、2024年4月にインフレが落ち着いたとされた後でも、給料だけでは人並みの生活水準を維持することが本当に難しくなっていると明かしている。そのうちの1人で、マーケティングとコミュニケーションを専門とする女性は、副業をいくつかこなして月4500ドル(約71万円)の手取りを得て、金銭的に困ったときに備えていると語っていた。
本職とは別に副業をもつメリットは、金銭的にも心理的にも安心感と安定感が得られることだ。収入源がいくつかあれば、勤務先で人員削減が実施されたとしても、少なくとも金銭的な面ではさほど慌てずに済む。それに、職探しに必死になるあまり、仕事が舞い込んできたら手あたり次第に引き受けなければならないというプレッシャーも、それほど感じずにすむ。
キャリアを自分で決められる余裕も出てくるし、選択肢も増える。新しいスキルを身に着ければ、いずれ別の道に挑戦するのにも役に立つかもしれない。
金銭的なセーフティネットを探しており、在宅で副収入を得られる手段はないかと考えている人のために、副収入が得られる3つの副業と、そのメリット・デメリットを紹介しよう。
1)オンラインコースや電子書籍の作成
特定分野の知識が豊富であれば、教材を開発して販売するのも一つの手だ。オンライン教育業界は数十億ドル規模の産業であり、分野は多岐にわたっている。ニッチな分野に絞り込めば、多くの意欲ある学習者が、あなたの貴重な知識を学びたい、新しいスキルを身に着けたり未知の分野をマスターしたりしたい、と待ち望んでいる可能性がある。
自分で開発した教材は、オンライン学習プラットフォームのUdemyやTeachableなどで販売してもいいし、Kindleダイレクト・パブリッシングで電子書籍をセルフ出版し、アマゾンで販売することもできる。
メリット:
・パッシブインカム(受動的所得)を増やしていける
・収入の上限がなくなる
デメリット:
・スキル向上に多くの時間を投資しなければならない
・学習や市場調査に時間とお金をつぎ込んで必死に学び、質が高く最新のコンテンツを提供しなければならないというプレッシャーがある
2)アプリやウェブサイトのテスター
企業やスタートアップは常時、最高の製品と最高のプロダクト・マーケット・フィット(PMF)を追求している。そして、ユーザー体験(UX)を優れたものにする方法の一つが、潜在的ユーザーに製品をテストしてもらうことだ。オンラインのテスターに支払われる報酬は、テスト1件あたり10ドルから100ドル(約1570円~約1万5700円)だ。UXテスターの仕事探しに便利なサイトにUserTesting.comがある。また、フリーランス向けプラットフォームのUpworkなどのマーケットプレイスで自らを売り込んでもいい。
メリット:
・まずまずの報酬がもらえる
・簡単に始められる
・参入障壁が低い
・空き時間にできる
・準備費用がかからない
デメリット:
・テスターとして、自分が常に適任とは限らない
・自分が使っているOSと合致しない場合がある
・仕事が不定期で、報酬に差がある場合がある