海外

2024.06.20 10:30

エヌビディアやウーバーが支援、自動運転トラック「ワービ」が316億円調達

Raquel Urtasun Founder and CEO of Waabi.(C)X @Waabi

Raquel Urtasun Founder and CEO of Waabi.(C)X @Waabi

カナダのコンピュータ科学者のラケル・ウルスタンが率いる自動運転テクノロジー企業Waabi(ワービ)は6月17日、既存投資家のコースラベンチャーズとウーバーが主導したシリーズBラウンドで、2億ドル(約316億円)を調達したと発表した。

エヌビディアからの支援も受ける同社は、物流トラックの自動運転技術の商用化を手がけており、2025年までにテキサス州で商業運行を行う計画だ。

トロントを拠点とする設立3年目のワービを率いるウルスタンは、TuSimple(トゥーシンプル)やEmbark(エンバーク)といった多くの競合企業が失敗した自動運転トラックの分野で、成功できると信じている。米先住民の言葉で「ビジョンを持つ者」という意味の社名を持つ同社の人工知能(AI)ソフトウェアは、道路状況を把握し、人間の思考に近い方法で運転操作を行うと彼女は述べている。

「すでに撤退した競合の多くのテクノロジーは、過度に複雑で壊れやすいものでした。私は、自動運転サービスの商用化をより速く、より安全に、そしてより資本効率の高い方法で達成できるまったく異なる技術でこの会社を作りました」とウルスタンは述べている。

自動運転車の開発は、10年前に多くの人々が予想していたよりも遅れており、この分野の企業は苦戦を強いられている。フォードとフォルクスワーゲンの合弁会社のArgo AI(アルゴAI)は閉鎖され、ウーバー傘下のATG(かつてウルタソンがチーフサイエンティストを務めていた)はAurora(オーロラ)に売却され、ゼネラルモーターズのロボットタクシー部門Cruise(クルーズ)も大きな挫折に直面した。また、これまでで最も成功した自動運転テクノロジー企業であるアルファベット傘下のWaymo(ウェイモ)ですら、ロボットタクシー事業に専念するために、トラック事業を中断した。
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編集=上田裕資

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