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2024.06.19 12:00

90%以上のiPhoneユーザーが使えない「アップルの生成AI」の現実

Getty Images

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アップルは、先日の開発者会議WWDCで、同社の人工知能(AI)ソフトウェアが、スマートフォンの未来をもたらすものだと宣言した。しかし、「Apple Intelligence」と名付けられたこのソフトの対応デバイスは、現状ではiPhone 15 Proシリーズの2端末とM1チップ以降を搭載したiPadとMacのみだという。

Apple IntelligenceはiOS 18にバンドルされる。このOSは、2018年に発売されたiPhone XRおよびiPhone XS以降の過去6年間のiPhoneをサポートする。しかし、Apple Intelligenceが利用できるiPhoneは、Apple Silicon A17 Proを搭載したiPhone 15 ProとiPhone 15 Pro Maxの2つのみだ。

これにより、何億台ものiPhoneが最新技術から取り残されることになる。リリース直後にApple Intelligenceを利用できるのは、すべてのiPhoneユーザーのうちの7%以下だという試算もある。これは競合他社とは対照的だ。サムスンのGalaxy AIは2024年1月に発売されたGalaxy S24シリーズでデビューしたが、Galaxy S23シリーズの全機種やZ Fold5、Z Flip5、Tab 9タブレットなど、旧型のGalaxyモデルでも利用可能だ。

アップルの生成AIが、ごく一部のiPhoneのみでしか利用できない原因はメモリの容量にある。iPhone 15/15 Plusに搭載されているRAMは6GBだが、iPhone 15 Pro/Pro Maxは8GBのRAMを搭載しており、2GBの差が存在する。十分なメモリがなければ、モバイルデバイスでAIを許容できるパフォーマンスで実行することは不可能だ。

アップルは常にiPhoneの仕様を曖昧にしてきたが、同社が常にメモリをケチってきたことは誰もが認める事実だ。iOSはAndroidに比べてメモリが少なくて済むという点は多くの人に指摘されており、部品点数が少ないことは、アップルに経済的メリットを与えてきた。

しかし、そのことが原因で、ほとんどのiPhoneユーザーが、新たに最新型のiPhoneを購入しない限り、Apple Intelligenceを利用できない。アップルのAIを期待していた人々の多くが、失望させられることになる。

一方で、熱狂的なアップルファンたちには、また新たな号令がかかったことになる。Apple Intelligenceを使いたいのであれば、新しいiPhoneを購入しなければならないのだ。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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