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VLADGRIN / Bigstock


3000万人を超えるユーザーを獲得した動画SNSアプリ「Flipagram」の大型資金調達が話題になっている。写真や動画を組み合わせ、ミュージックビデオ風のクリップが作れるこのサービスは、日本で言えば「女子中高生らが熱狂する」と伝えられる「ミックスチャンネル」を想起させる。その詳細についてフォーブスのキャサリン・チャイコフスキー記者がリポートしている。

動画で“ストーリーを語る”アプリ

Flipagramのリリースは2年前。今年7月7日にシリーズBラウンドで7,000万ドル(約86億円)を調達したと発表した。このラウンドをリードしたのはSequoia Capitalで、他にKleiner Perkins Caufield& Byers とIndex Venturesが参加した。Flipagramは資金調達と同時に、ベンチャーキャピタリストでビリオネアのマイケル・モリッツとジョン・ドーアが取締役会に参加することを発表した。モリッツとドーアはGoogleで一緒になって以来、初めて同じスタートアップの取締役会に名を連ねる。

Flipagramは、音楽との組み合わせが最適なSNSアプリであることを売りにしている。同社は、主要なレコード会社や音楽出版社と契約し、何百万もの楽曲からなる「音楽クリップの総合カタログ」を作っている。ユーザーは、このリストの中から好きな音楽クリップを選び、無料で動画のサウンドトラックとして使ったり、アプリから購入することができる。

ロサンゼルスを拠点とするFlipagramは、2014年末時点で月間アクティブユーザー数が3,000万人を突破。Flipagramのアプリを使うと、写真、動画、リンク、テキスト、音楽を組み合わせて、30秒から最長1分までの短編動画を手軽に作ることができる。動画の尺はVineやInstagramよりも長いが、数分以上が可能なFacebookやYouTubeよりは短い。CEOのFarhadMohitはFlipagramの目的について、ストーリー性があり、情感あふれる動画をユーザーが手軽で素早く作れるようにすることだと説明する。彼は「今回調達した資金を、優秀な人材の雇用や、アプリ運営のためのインフラ補強に充てたい」とフォーブスの取材に答えた。

MohitはFlipagramと他のソーシャルアプリと比較し、「YouTubeはより複雑なストーリーの動画を提供することができる反面、作り手にとっては制作が困難で、気構えが必要だ」と話す。Mohitの言う、動画の「浅さ/深さ」や「易しさ/難しさ」という観点で見れば、TwitterやInstagramは、個々の場面を素早く捉える機能に徹しているし、Snapchatを使えば、見せたい動画を短時間だけ公開することができる。

しかし、Mohitは、Flipagramの用途はこれらのサービスとは異なり、結婚式、卒業式、パーティーのような記念イベントを撮影したり、保存やシェアを目的とした自己表現のコラージュを作成するのに向いていると話す。Flipagramでの動画制作は、TwitterやSnapchatに比べれば多少込み入っているが、動画を1秒ごとのクリップに切り分けて、つなぎあわせたり、数回タップするだけで、音楽や写真をつぎ足すことができる。こうして作られた動画はFlipagramと呼ばれ、アプリ内だけでなく、他のネットサービス上でも友人にシェアしたり、他人の作品にいいねやコメントをすることができる。

Flipagramを立ち上げる前、Mohitは価格比較サイトのShopzillaを創業し、2005年に5億2,500万ドルで売却をしている。Mohitは、Flipagramを作った狙いについて「言語の壁を取り払い、アプリの操作を極めて直感的にすることで、広く大衆に利用してもらうことだ」と話している。

「我々は、ストーリーを語ることこそが、ソーシャルメディア上で人々が関係性を深める道だと考えている」とMohitはフォーブスに語っている。「Flipagramは、あらゆる人がストーリー性のある作品を作るツールになるかもしれない」とMohitは言う。

Flipagramでは2015年の第一四半期に、毎月1,400万以上もの動画が作られた。平均的なユーザー像は25歳未満の女性で、大半の動画はアメリカ国外で作られているという。アプリデータの分析を行うAppAnnieによると、先週木曜日のiOSの写真・動画カテゴリーで、Flipagramは7位にランクされたという。

「我々のパートナーたちは、Flipagramがメディアを創造し、シェアするサービスとして、Twitterに並ぶ存在になると信じている」とDoerrはフォーブスに語った。

大手音楽レーベルも相乗効果を期待

Flipagramは、ユニバーサルやソニー・ミュージック、ワーナー・ミュージック、ザ・オーチャードなどの主要レコード会社とライセンス契約を結んでいる。取締役のドーアは「これらの契約によって、Flipagramは他に類を見ない、競争力のあるソーシャルサービスになった」と話す。

「著作権の所有者たちと交渉をまとめ、複雑な権利を勝ち取ったことは素晴らしい成果で、なかなかできることではない」とドーアはフォーブスに語っている。

Mohitは「音楽会社にとってFlipagramは脅威ではなく、むしろミュージシャンたちにとってファンとより身近に結びつくためのツールであり、アーティストがより多くの聴衆に作品を聞いてもらう機会になる」と指摘する。Flipagramではハウツー動画が人気だが、例えば友人が制作したヨガや料理などの動画のBGMを気に入って、アプリ内に表示されたiTunesやSpotifyのリンクからその音楽を購入することがあるかもしれない。Flipagramsでは、他の外部サイトへのリンクを貼ることも可能だ。

ユニバーサル・ミュージック、デジタル部門のグローバル責任者を務めるFrancis Keelingは、公式コメントの中で次のように述べている。「弊社はこれまで、Flipagramのような革新的なデジタルサービスと協業し、ファンとの関係性を深めたり、アーティストに新たな商業的な機会を提供してきた長い歴史がある。私たちは、何百万人ものFlipagramのユーザーたちが、当社のアーティストたちの音楽を使って創造的な動画を作ることを楽しみにしている」

ワン・ダイレクションらの著名人も参加

一般のユーザーに加え、多くのセレブリティ―やインフルエンサーたちも、Flipagramを愛用している。Flipagramによると、スターたちには報酬を支払っておらず、大半の場合は自然とユーザーになってくれているという。著名人のユーザーには、ワン・ダイレクションやジェシカ・アルバ、 ジェイミー・フォックス、ブリトニー・スピアーズらがいる。こうしたスターたちが、ファンによる投稿を「いいね!」した場合、投稿にはバッジが表示され、どのスターが「いいね!」をしたかわかる仕組みになっている。特定の友人やスターを検索する以外にも「動物」「ユーモア」「ダンス&ミュージック」「自撮り」「食べ物」といったチャンネルから検索することもできる。Flipagramでは、有名、無名に関わらず、誰でもプロフィールを作って自作の動画を保存したり、フォロアーにシェアすることができる。企業やブランドもアカウントを作り、Flipagramsを作成することが可能だ。

「初めて動画を作ってシェアし、ストーリーを語ったとき、自分が物語作家になったようは興奮を覚えるんだ」とMohitは話す。意義のある作品を素早く作ることのできるワクワク感こそが、Flipagramが競合サービスと差別化を図る上で重要な要素なのかもしれない。

文=キャサリン・チャイコフスキ(Forbes)/ 翻訳編集=上田裕資

 

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