ウェアラブル脳波計の開発販売を行うVIE(ヴィー)は、脳神経活動を測定するニューロフィードバック(NF)を利用して事前に脳のアルファー波を高める訓練をしておくと、トレーニング(知覚学習)の効果が飛躍的に高まることを実験で実証した。ガボールパッチ・トレーニングは、ぼやけた縞模様をいくつも見続ける単調な訓練で、効果が表れるまでには数カ月間がんばらないといけないのだが、VIEの方式ではうんと短い時間で効果が示された。
実験では、被験者はウェアラブル脳波計を装着してアルファー波を高める訓練を行い、ガボールパッチ・トレーニングを実施した。比較のために、もうひとつのグループはアルファー波訓練の時間と同じ長さの動画を見てもらった。
実験は、2週にわたって30分ほどのセッションを4回行った。セッションの前後にランドルト環を使った視力検査を行ったが、4回目の後には初回とくらべて視力が0.16向上していた。これは、通常のトレーニングなら2カ月にわたり45分のセッションを8日間行った場合に匹敵する。また、NFを行ったグループではコントラスト感度が向上し、知覚学習効果の低下が少ないこともわかった。
今回の実験では近視の人を対象に行ったが、ガボールパッチ・トレーニングは老眼にも有効だとされている。そのためのアプリは数多くあるが、脳波のコントロールと組み合わせて効果を高める装置の登場が望まれる。
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