株価パフォーマンス
現在の金融情勢を背景に、MSは2021年1月初旬の70ドル台から現在の97ドル前後の水準まで約38%の力強い上昇を見せた。しかし、MSの上昇は一貫しているとは言い難い。2021年のリターンは43%、2022年はマイナス13%、2023年は10%だった。これに対し、S&P500のリターンは2021年に27%、2022年にマイナス19%、2023年に24%で、MSのリターンは2023年にS&P500を下回っている。直近決算は市場予想を上回る
モルガン・スタンレーの2024年度第1四半期決算は、市場予想を上回った。この主な要因は、機関投資家向け証券(投資銀行、セールス&トレーディング)部門の売上高が3%増えたことや、ウェルス・マネジメント部門で5%増、投資運用部門で7%増とそれぞれ売上高が成長したことによる。コスト面では、営業収益に占める非金利費用の割合が当四半期は大幅に低下した。その結果、調整後の純利益は前年同期比15%増の32億7000万ドル(約5154億円)となった。2023年度の通期の売上高は541億4000万ドル(約8兆5000億円)とわずかながら増加した。富裕層向けの資産運用部門で増収となったものの、機関投資家向けの証券部門の減収により、そのプラス影響はほぼ相殺された。コスト面では、収益に占める経費の割合が同期間に増加したため、調整後の純利益は19%減の85億ドル(約1兆3000億円)となった。
結論
第2四半期も同様の成長が続くと私たちは予想している。全体として、モルガン・スタンレーの通期の売上高は2024年度には577億6000万ドル(約9兆1000億円)前後で着地するだろう。さらに、利益面でも改善し、調整後の純利益は109億ドル(約1兆7000億円)、GAAPベースの年間EPS(1株あたりの純利益)は6.88ドルになると思われる。このEPSに私たちが想定するPER(株価収益率)の14倍を掛け合わせて多少の調整を加え、目標株価の100ドルを算出した。(forbes.com原文)