政治

2024.06.18 11:00

中国、核戦力を「他のどの国よりも急速に増強」 国際平和研

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スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は17日に発表した年次報告書で、中国の核兵器保有数が昨年大幅に増加し、向こう10年で米国やロシアに匹敵する大陸間弾道ミサイルを配備できるようになる可能性があると警告した。

同研究所で大量破壊兵器を専門とするハンス・M・クリステンセン上級研究員は、主要な核保有国のすべてが核兵器の保有数を拡大しているが、「中国は他のどの国よりも急速に核兵器を増強している」と指摘した。

中国の核弾頭保有数は昨年1月時点の410発から今年1月には500発に増加した。同国は平時にも一部の核弾頭をミサイルに搭載している可能性があるとして、SIPRIは、中国が保有する500発の核弾頭のうち、約24発が配備された可能性があると推定している。米国、ロシア、英国、フランスも、ミサイルや爆弾に総保有数の一部を配備している。

だが、中国の核弾頭保有数は依然として米露より少ない。世界各国が保有している使用可能な核弾頭の総数は9585発で、ロシアは4380発、米国は3708発保有している。

SIPRIのダン・スミス所長は、冷戦時代の核兵器が徐々に解体され、世界の核弾頭の総数は減り続けているが、使用可能な核弾頭の数が前年より増加したと指摘。この傾向は今後も続く可能性が高く、向こう数年間で加速するとの見方を示し、「われわれは今、人類史上最も危険な時期にいる」と警告した。

forbes.com 原文

翻訳・編集=安藤清香

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