スタートアップ

2024.06.27 14:15

チームを理解することが、スタートアップのスピードアップにつながる

さらにメンバー同士の理解を深めるための取り組みとして、「私との働き方マニュアル」の導入も最近検討しています。家電製品に取扱説明書があるように、「自分」という人間と働く上での「取り扱い方」を説明した文書のことです。一緒に働く際に周りの人に知っておいてほしい様々なことを共有できます。例えば仕事への取り組み方や、マネジメントスタイル、どうしても不快に感じること、得意なコミュニケーション手段などです。このマニュアルについては、Elad Gilの著書『爆速成長マネジメント』を読んで知りました(ちなみにスタートアップの起業家にとって必読の1冊だと思います)。同書にはStripeの元COOであるClaire Hughes Johnsonとのインタビューが含まれているのですが、彼女は自分の働き方や好みについて周りに理解してもらうために「Claireと働く」という文書を作成しているそうです。また、FacebookとAsanaの共同創業者であるDustin Moskovitzも、同じようなマニュアルを用意しているとポッドキャストで話していました。

この「私との働き方マニュアル」は、起業家にこそ必要なものかもしれません。というのも、起業家には個性が強い人が多く、周りと摩擦が生じやすい傾向があります。特にスタートアップ企業ではスピードが求められるため、こうした個性や傾向を前もって伝え、社内のボトルネックを最小限に抑えることがよりいっそう重要になります。相手の傾向を事前に知ることで、誤解やミスを未然に防げるため、こうしたプロアクティブな対策は非常に効果的です。Coralでも、この効果を狙ってギャラップ社のストレングスファインダーを実施しています。各チームメンバーの強みや傾向を理解することが、お互いを理解し合い、尊重し合える環境を育むことにつながるのです。特にスタートアップのようにハイペースでプレッシャーの多い世界では、このシームレスなコミュニケーションと結束が、組織を迅速にスケールする鍵となるでしょう。

P.S. Coralにフィットするかもしれないと思った方は、ぜひこちらからご応募ください。現在、投資チームとオペレーションチームのポジションで募集中です。

連載:VCのインサイト
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文=James Riney

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