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2024.06.18 09:00

【米国株ウォッチ】テスラは後退期に突入か? 大量の在庫が明らかに

テスラ株の今後の動向は?

テスラは、その整備されたサプライチェーン、優れたバッテリーとドライブトレイン技術、そしてソフトウェアと自動運転技術で他社をリードしている。長期的に、よりクリーンな輸送方法やエネルギーを求める社会へと移行していく未来において、同社が大きな受益者であり続けると私たちは考えている。とはいえ、今年のテスラの販売台数と収益は、年間売上高成長率で50%という同社の目標を大きく下回り、プレッシャーに直面することになりそうだ。

テスラ車の需要低迷にはいくつかの要因がある。高金利により、顧客が自動車購入資金を調達するコストが高くなっている。加えて、多くの国で充電網が整備されていないことや、EVの再販価格が下落していることも、潜在的な購入意欲を減退させているようだ。

また、EVのアーリーアダプター市場も飽和状態にあり、需要の減少につながっている可能性が高い。テスラが過去1年間に実施した積極的な価格引き下げの影響も薄れつつあり、特に中国のような市場では競争が激化している。テスラの価格決定力は弱まっているように見え、平均販売価格にも影響を与えている。2024年第1四半期のテスラ車の平均価格は、前年同期の約4万7000ドル(約739万円)から4万5000ドル(約708万円)以下に下落した。

そうした背景を踏まえ、私たちはTSLAの目標株価を、現在の市場価格とほぼ同じ水準の177ドルとしている。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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