ランセットの長射程タイプ、いわゆる「イズデリエ53(製品53)」が昨年8月に登場してから、ロシア軍はほぼ数週間ごとに、このドローンでドルヒンツェベ航空基地のウクライナ軍機を狙ってきた。
これまでに、同基地で駐機中だったウクライナ軍機少なくとも4機がランセットの攻撃で被弾した。昨年秋にあった最初の2回の攻撃はウクライナ空軍にとって不意討ちで、MiG-29戦闘機とSu-25攻撃機を1機ずつ爆破されている。ただ、同年11月にあった3回目の攻撃では飛行不能なデコイ(おとり)のSu-25が被弾し、実害は免れたようだ。
今月11日かその少し前、今回はおそらく飛行可能なSu-25がランセットの攻撃で被弾した。ウクライナ空軍はこれをどう弁解できるだろうか。ロシア軍の偵察ドローンが上空高くから撮影した映像には、重量12kgほどのランセット1機が駐機中のSu-25に猛スピードで突っ込み、爆破したとみられる様子が捉えられている。この機体がデコイだったという形跡はない。
10.06.24
Destroyed 🇺🇦Su-25 close air support aircraft at the airfield of Dolhkyntseve, Kryvyi Rih, Dnipropetrovsk region
GEO: 47.9029289, 33.5265230#UkraineWar #UkraineFrontLines#warfootage#lost_warinuapic.twitter.com/tLUFVrouPZ — lost_warinua (@lost_warinua) June 11, 2024
先月、オランダが中心となって、ウクライナへのレーダーやミサイルの供給を増やす取り組みが急きょ始まったのは理由のないことではない。この取り組みは、米国製のパトリオットやドイツ製のIRIS-Tといった防空システムの追加供与というかたちで結実しつつある。