ジュリア・ロバーツ、ジェニファー・ロペス、ベネディクト・カンバーバッチなどのスターが主演した最近のネットフリックスのヒット作は、古いタイトルと同時にリリースされている。これにより、視聴者はお気に入りのスターを立て続けに視聴することができる。古い作品も新しい作品のように見せることはできるが、すべては「タイミング」次第だ。
有名な俳優が出演する新作を公開する際、視聴者がその俳優の他の作品を見つけやすくすることは賢明な戦略だ。これによりネットフリックスの加入者は楽しく視聴を続けることができ、俳優の過去の作品が若いファンに再び紹介され、旧来のファンには再視聴の機会が提供される。ストリーミング業界では、加入者を獲得するだけでなく、維持することも重要だ。
人気作品の配信権の獲得はネットフリックスに限ったことではないが、2億7000万世帯という世界的な加入者数を誇るネットフリックスには、他に類を見ない規模で、有名人の過去作と新作を組み合わせてプロモーションできる特別な力がある。(訳注:作品の配信期間は作品ごとに大きく異なり、この記事で言及されているすべての作品が現在ネットフリックスで視聴できるわけではないが、いずれかの時点で配信されていたものだ)。
ベネディクト・カンバーバッチ主演の新作ドラマ『Eric(エリック』)と過去の2作品がネットフリックスで配信されている。
新たなファンを獲得した俳優にとって、この戦略はソーシャルメディアのフォロワー数の増加にもつながる。そして、その俳優がブランドの広告塔を務めている場合、自身の作品のクロスプロモーションは、ブランドの商品をプロモーションする絶好の機会にもなるのだ。
こうした作品の中には非常に人気が出て、ネットフリックスの週間トップ10にランクインするものもあるが、同社にとって重要なのは、視聴者の好きな俳優の作品をより多く提供することだ。
たとえば、グレン・パウエルのファンは、彼が共同脚本・出演したコメディ映画『Hit Man』の公開に合わせて配信された、過去のロマンティックコメディ『Anyone But You(恋するプリテンダー)』も楽しむことができた。『Hit Man』は配信開始から3日間で1080万回視聴され、米国時間6月3日の週の英語映画トップ10で1位を獲得する大ヒットとなった。