今回の攻撃でS-400の装備の撃破数はさらに増えた可能性がある。システム4〜5基の一部装備が失われたのかもしれない。ミサイルの迎撃システムがミサイルにやられているというのは皮肉だ。S-400は周囲の友軍部隊を守れていないばかりか、みずからも守れていない。
S-400はロシア軍に50基あまりあるようなので、すぐに枯渇することはないだろう。それでも、ウクライナ軍のミサイル攻撃で生き延びられないのなら、ウクライナでのロシアの戦争努力には役に立たないということになる。ロシア側はS-40をウクライナに配備すればするほど、さらに多く失う結果になりそうだ。
ロシアの観測筋のなかには、この先にもっとひどい攻撃が待っているのではないかと懸念する向きもある。ウクライナ軍が米軍の攻撃ドクトリンに従っているのだとすれば、まず最初に防空システムを攻撃し、続いて「F-16戦闘機を中心とする航空機が、翼の下にさまざまな弾薬を搭載して登場することになる」。ロシアのある軍事ブロガーは、エストニアのアナリスト、War Translatedが引用・翻訳している投稿でそう書いている。
ウクライナ空軍は欧州諸国からF-16を85機受け取ることになっており、F-16戦闘機が戦闘に用いるレーダーホーミング・ミサイルや精密滑空爆弾はすでに取得している。
デンマークから供与された第1陣のF-16は間もなくウクライナに到着するはずだ。この機敏な戦闘機がいきなりクリミアのロシア軍基地を攻撃し始めても驚かないようにしよう。ATACMSによるたび重なる攻撃によって、基地の防空は着実に弱体化している。
(forbes.com 原文)