宇宙

2024.06.14 18:00

火星の赤道付近で「起こり得ない」降霜、巨大火山の山頂部で発見

火星だけでなく太陽系全体で最大の火山「オリンポス山」の山頂にあるカルデラに降りた霜(青色)を斜めから捉えた画像。ESAのマーズ・エクスプレス探査機の観測データを用いて作成(ESA/DLR/FU Berlin (A. Valantinas))

今まで発見されなかった理由

今回の霜を発見したのは、エクソマーズ計画のトレース・ガス・オービター(TGO)探査機とマーズ・エクスプレス探査機だ。それぞれ2018年と2003年から火星の周回探査を行っている。では、火星でこの微気候を見つけるのにこれほど時間を要した理由は何だろうか。「早朝にこの場所を観測できるようにする軌道が必要だ」と、バレンティーナスは指摘する。火星の周回軌道上にある探査機7機のうち、TGOとマーズ・エクスプレス以外は太陽と同期しているため、午後にしか観測できない。
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さらに、もう1つ理由がある。「降霜が火星の寒い季節と関連していることにより、霜を発見するのに適した期間がいっそう狭まっている」とバレンティーナスは説明している。「すぐに消えてしまう霜を、どこで、いつ探すべきかを知る必要がある。今回は別の調査のために偶然、赤道付近で霜を探していたが、火星の火山の頂上で見つかるとは思ってもみなかった」

forbes.com 原文

翻訳=河原稔

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