「残っているビットコインを、すべてメイド・イン・USAにしたい!」と、トランプは深夜、自身が立ち上げたSNSのTruth Social(トゥルース・ソーシャル)に投稿した。
トランプは、マイニングと呼ばれる計算処理を通じて採掘されるビットコインが、「中央銀行のデジタル通貨(CBDC)に対する最後の防衛線となる可能性がある」と主張した。
彼は以前、バイデン政権下の連邦準備制度理事会(FRB)が検討中の「デジタルドル」を、「自由に対する危険な脅威」と位置づけ、自身が再選されればその発行を阻止すると述べていた。
トランプはまた、残っているビットコインを米国でマイニングすることで、この国が「エネルギー優位」に立てるとも主張したが、暗号資産のマイニングは膨大なエネルギーを消費するため、この発言が何を意味しているのかは不明だ。
彼はさらに、暗号資産業界に懐疑的、あるいは敵対的だと見られているバイデン大統領と民主党にも矛先を向け、「バイデンのビットコイン嫌いは、中国やロシアなどの敵国を利するだけだ」と述べている。
トランプが主張するように、ビットコインを受け入れることが、FRBによるデジタルドルの発行の抑止につながるかどうかは不明だ。また、暗号資産が米国で広く普及すれば、FRBがこの問題についてより迅速な対応を取ることも考えられる。
ビットコインの採掘には膨大なエネルギーが必要で、2023年には全国の電力消費量の2.3%を占めたという試算もあり、近年、その環境負荷の大きさが厳しく問われている。そのため、バイデン大統領は2025年の予算案に、マイナーのエネルギーコストに30%の課税を行う提案を盛り込み、暗号資産業界からの猛反発を食らっていた。
一方、トランプは11日にビットコイン採掘会社のクリーンスパークとライオットプラットフォームの幹部らと会合を行ったと報じられている。クリーンスパーク会長のマシュー・シュルツは、トランプが出席者に対して、「私は、暗号通貨を愛しており、理解している」と語ったとブルームバーグの取材に述べている。彼はまた、トランプが「私は、大統領に返り咲けば、ビットコインのマイナーの擁護者になるつもりだ」と誓ったことを明かした。
ビットコインの供給量は、上限が2100万ビットコインに制限されており、そのうちの約90%がすでに採掘されている。また、これまで約4年ごとに訪れていたビットコインの半減期(マイニング報酬が半分になるイベント)のペースが変わらなければ、2140年頃に発行の上限に達すると予測されている。
推計によると、ビットコインの採掘に関しては米国がトップを走っており、全体の生産量の35~40%を占めているが、中国やカザフスタン、ロシア、カナダ、ドイツなども主要な採掘国となっている。
(forbes.com 原文)