アップルが発表した「Apple Intelligence」について、筆者が現地取材を通じて把握できた情報を掘り下げてみたい。
Apple Intelligenceの登場は秋以降。日本でも試せる
アップルが公開したApple Intelligenceのホワイトペーパーによると、Apple Intelligenceは、アップルがユーザーの日常的なタスクを想定して独自に構築・微調整した生成AIモデルをベースにしているという。このモデルは権利者の許諾を受けたロイヤリティフリーのストック写真、ウェブに公開されているオープンライセンスのデータ、その他高品質のデータセットをソースとしたトレーニングにより構築されている。さらに人間のフィードバックによる強化学習を加えながら、モデルの品質は今後も継続的に改善が図られる。Apple Intelligenceはテキストや画像、音声など複数種類のデータが扱えるマルチモーダルAIだ。ユーザーが書いたメールのテキストを修正したり、イラストを生成してプレゼンテーションに貼る、自然な言い回しでSiriに話しかけて検索するといった、ビジネスシーンにも役立つ多様な使い方ができる。
アップルは今秋に予定するiPhone、iPad、Macの正式ローンチに合わせてApple Intelligenceのベータ版を各OSに組み込む。Apple Intelligenceは無料のアップデートとして提供されるが、使えるデバイスはiPhone 15 ProとiPhone 15 Pro Max、Apple M1以降を搭載するiPadとMacに限られる。
日本語を含む「英語以外」の言語に対応する時期は明らかにされていない。ただし、対応するデバイスとSiriの言語を「英語(米国)」にセットすれば、Apple Intelligenceの提供開始後から日本でも試すことができる。