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2024.06.13 10:00

生成AI需要で高まる「原子力ルネサンス」機運 いま買うべき8銘柄

米北東部ペンシルベニア州にあるリメリック原子力発電所。2019年8月(Khairil Azhar Junos / Shutterstock.com)

1兆5000億ドル(約230兆円)規模の復興が見込まれる原子力発電分野への投資機会を探っている投資家は、米銀大手モルガン・スタンレーの推奨する8社の株式を狙うのが賢明かもしれない。

8社は、原子力発電や関連機器の製造、ウラン鉱山などを手がける米国、中国、日本、オーストラリアの企業で、モルガン・スタンレーが「買い」を推奨している原発関連51銘柄の上位に挙げられている。

うち6社は原発事業を営む電力会社が占め、米国のコンステレーション・エナジーパブリック・サービス・エンタープライズ・グループヴィストラ、中国の中国広核電力(CGNパワー)、日本の関西電力となっている。

ウラン採掘会社では、カナダのウラン権益を保有する香港上場の中広核鉱業(CGNマイニング)と、アフリカ南西部ナミビアでウラン鉱山を再操業するオーストラリア上場のパラディン・エナジーの2社が選ばれている。

もう1社は、米国の航空・防衛産業と深い関わりがあり、原発向けサービスや機器も提供しているカーチスライトだ。

5つの重要な動向

モルガン・スタンレーは「原子力ルネサンスが到来する」と題したリポートで、5つの重要な動向を指摘している。

・昨年の第28回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP28)に出席した国々は、2050年までに原発の設備容量を3倍に増やすことを求めた
・原発は生成AI(人工知能)の開発や普及向けの電源として無比のものになっている
・原子力ルネサンス向けの資金調達によって、グリーンボンド(環境債)の発行が広がると見込まれる
・建設費の膨張や労働力の不足、ウラン高など、コスト面の課題を克服する必要はある
・小型モジュール炉(SMR)と核融合は、原子力の展望を大きく変える可能性を秘めている

原発の復活には、2050年までに1兆5000億〜2兆5000億ドルの投資が必要になると試算されている。2点目に挙げられているような設備拡大のために、保守管理費用は年間1280億ドル(約19兆9000億円)増えると見積もられている。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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