デジタル分子とは、デジタル化されたエビデンスに基づく治療介入であり、生理学的効果を引き起こして、従来の薬剤の効果を高めることが知られている。
レメピーの共同創業者でCEOのミハエル・ツァーは、同社のハイブリッド・アプローチについて、「免疫療法で起きたような非常に大きな革命だ」と述べている。「免疫療法は、免疫の力を利用して腫瘍を攻撃することで製薬の世界を変えた。我々は、デジタルツールを使って脳を活用し、薬との相乗効果をもたらす生理学的効果を引き出している」とツァーは説明する。
レメピーは先月、シードラウンドで1000万ドル(約15億6000万円)を調達した。これにより、同社の累計調達額は1500万ドル(約23億5000万円)に達した。今回のラウンドはNFXが主導し、Vine VenturesやPsyMed Ventures、Supernode Ventures、Firstime Venturesのほか、プレシードラウンドで出資したTechAvivやFresh.fund、Samsung Next、StageNext Fund、97212 Venturesも参加した。
レメピーはまた、メルクでR&Dのグローバル責任者兼チーフ・メディカル・オフィサーを務めるダニー・バー・ゾハールと、イスラエルの元首相であるナフタリ・ベネットが取締役に就任したことを発表した。
連続起業家として知られるツァーは、1999年にベネットらと不正防止ソリューションのパイオニアであるCyotaを設立し、2005年に1億4500万ドル(約227億円)でRSAに売却した。彼女はその後、オープンソースの動画プラットフォームKalturaを共同創業した。同社は、2021年にIPOを果たした際、評価額が12億4000万ドル(約1944億円)に達した。ツァーは、その1年後にオル・ショーバルとアミール・アメディ教授とともにレメピーを創業した。
アメディ教授は、イスラエルのライマン大学にあるThe Baruch Ivcher Institute for Brain, Cognition & TechnologyとThe Ruth and Meir Rosental Brain Imaging Centerの創設ディレクターで、同大の心理学部教授だ。これらの研究所は、基礎的な神経科学から得られた知見をもとに、医療成果を向上させる技術の開発を目指している。