2024.08.09 14:15

元ホテルマンが回想。部屋番号「4」「9」がない弊害と「フロント番号9」の理由

旅館は?

温泉ホテルみたいな所は番号で振ってあるところもありますが、旅館の多くは「鶴の間」「雅の間」「菖蒲の間」みたいな表示にしていますよね。なぜ「○○の間」というのが一般的なのかは、歴史的背景とかまでは分かりませんが、由緒ある高級旅館が番号の部屋では味気ないと感じるでしょう。

やはり和室は漢字のほうが情緒、趣きがあってよいと思います。

開かずの間とジンクス

旅館やホテルにけして宿泊に使われない不気味な部屋があって…なんて怪談みたいのもありがちですが、どうでしょうね? いわく付きで使われない部屋が本当にあるのかは定かでないですが、部屋の設備に致命的な不具合があったり、ボイラーの側で騒音クレームが絶えないとか、倉庫になっているとか、様々な事情で存在はするのではないでしょうか?

ただ、宿泊業はそう簡単には部屋を潰しません。部屋が稼ぐわけで、安易に部屋数を減らすことには慎重であるはずです。

何の仕事にもあるとは思いますが、宿のジンクスとしては、不思議と同じ宿泊者に不手際が重なることが多いです。一度迷惑を掛けたならそれ以上はないよう気を付けるわけですが、まるでその人に呼び込まれているかのように集中してしまうことがあります。(その人がクレーム体質とかいうことはまったくありません)

ホテルの部屋の電話。フロントへの内線番号に9番が多い理由は?

確かに9番がフロントへの内線番号になっているホテルは多いです。なぜ?

その答えとして、ホテルは忌み数の4と9の部屋がない所が多いから、他の部屋に掛け間違えないよう9番にしているのだ!と説明しているサイトやブログがあります。

そうかもしれません。しかしそれならば4番がフロント番号でもよいのではないでしょうか? けれども4番はあまり聞いたことがありません。

ここからはあくまでも私の意見です。ビジネスフォンなどのオフィスで使う電話は通常は内線用電話です。外部へ掛ける場合は0を最初に押して、外線に切り替えて発信します。いわゆるゼロ発信というやつです。

ビジネスホテルで部屋の電話を使用する場合、外部へ掛けるための外線か、フロントへ用を言いつけたり質問したりの内線、この2つしか使わないでしょう。

外線は、「ゼロ発信」などとよく耳にする「0」にしておくのが無難でしょう。ならば、内線は?と考えた時、電話機の0のすぐ近くにある9を設定しておくのが自然な気がします。

プッシュ式のボタンは9が0のすぐ右斜め上にありますし、大昔のダイヤル式電話も9は0の隣に位置しています。

もちろん内線フロント番号が9番でないホテルもたくさんありますし、外線を掛ける場合に先頭に付ける番号もホテルによって違います。

ルールが統一されているわけではないので、ホテルで電話を使う際は説明をよく読みましょう。

宿泊者に部屋がどのように振り分けられるのか? が知りたい人は、こちらの記事へ
部屋はどう決める? 元ホテルフロントマンが「ホテル側の配慮と思惑」を回想



「ホテル裏話 | なぜ? みんなの疑問を元ホテルマンが暴露◎ 元ホテル勤務の筆者がホテル経営の裏側を綴るブログ。ホテルにまつわるあらゆる雑学やエピソード、宿泊者が不思議に思うホテルの「なぜ?」にも答える。

(※本記事は筆者個人の勤務経験・体験にもとづくものであり、すべてのホテルに関する知見を網羅するものではない)

「ホテル裏話 | なぜ? みんなの疑問を元ホテルマンが暴露」 編集=石井節子

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