2024.08.09 14:15

元ホテルマンが回想。部屋番号「4」「9」がない弊害と「フロント番号9」の理由

国によって忌み数は異なる

海外・外国では日本とはまた違った数字が嫌われます。

・西洋では宗教的要因で「13」や「666」といった数字が良くないとされるのは日本でもお馴染みかもしれません。

・英語圏では「11」や「111」といった数字が「蛇の目」、snake eyesとして嫌われます。

・アメリカを中心に「420」(フォー・トゥエンティー)がマリファナを意味する隠語として使われた歴史から、避けられる傾向があります。

・イタリアでは「17」。ローマ数字で書くと XVII となり、これを並べ替えると VIXI となり、ラテン語で 「私は死んでいる」という意味になるようです。

・ベトナムは「3」。「惨」に通じ、忌み数とされます。

・中国では「5」。「五」と「無」が共に「ウー」と同じ発音になるためです。

こんなふうに国によって忌み数が違うと、世界中からやって来る宿泊者を受け入れる国際的なホテルでは、割り振れる部屋番号がなくなってしまいます。世の中の国際化が進んでいく上で、部屋番号というのは気にしてはいられなくなっていくでしょう。

日本だと「404号室」を気にする人は多いと思います。444号室はかなり大きな建物でないと存在しないでしょう。409号室や904号室や909号室など4と9が入れば嫌となるとキリがないですね。402号室を忌み数とする傾向もあるようですが、「死に」と結び付けるのも少し強引な気もします。アメリカで「大麻」を表すスラング、「420(フォートゥエンティー)」と混同していたりしないでしょうか?

従業員にはデメリット。バンクーバーでは「忌み数の階を省くな」を義務付け

この欠番がある、無い部屋があるというのは、そこで働くホテルスタッフにはけっこう不利になります。

従業員はホテルの部屋番号がフロアのどの位置にあるかをすぐイメージできないといけませんが、番号が飛んでいるととても面倒なんです。頭の中にフロアと全ての部屋の位置が映像ですぐ浮かぶようになるのが理想です。特に向かい合う部屋が何番と何番とイメージするのには妨げになります。私が新人の時はとても苦労しました。

実は、カナダのバンクーバーでは、忌み数の階を省かないで正しい階数を表示することを義務づけています。理由は、階数表示の除外が消防活動や救助活動に支障を来す為だそうなんですが、部屋番号においても同様のことが考えられなくもないと私は思いました。

そうしたことを考えると、日本では消防法では規定されていませんが、国際化も視野に入れると、正しい部屋番号の並びにしていく風潮があってもよいのではないかと私は思います。

実際に最近は、忌み数による欠番を作らないマンション・アパートは増えているようです。
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「ホテル裏話 | なぜ? みんなの疑問を元ホテルマンが暴露」 編集=石井節子

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