本ランキングの選考はフォーブスとトゥルー・ブリッジ・パートナーズが共同で行い、世界最高の投資実績をあげた100人を毎年選出している。
ここでは今年、このリストに新たに選出された6人の投資家を紹介する。
トレイ・スティーブンス(ファウンダーズ・ファンド)
2013年にピーター・ティールから電話を受けたトレイ・スティーブンス(40)は、どう答えていのかわからなかったという。物議を醸すテック業界のビリオネアで、防衛テック大手のパランティアの共同創業者でもあるティールは、自身のベンチャーキャピタルであるファウンダーズ・ファンドで新たなファンドを設立し、パランティアの初期従業員だったスティーブンスにディールメーカーとして加わるよう求めたのだった。「彼は私にとって上司のような存在で、その依頼がオファーなのか命令なのか分からなかったのでした」とスティーブンスは振り返る。
それから10年以上が経った今、スティーブンスは、ファウンダーズ・ファンドの投資で大きな成功を収め、フォーブスのミダスリストに選出された。
今年のリストには、彼に加えて、FPVベンチャーズのウェスリー・チャンやBAIキャピタルのアナベル・ユー・ロン、IDGキャピタルのジャスティン・ニュウ、エマージェンス・キャピタル・パートナーズのケビン・スペイン、スパーク・キャピタルのジェレミー・フィリップスら、5人の投資家が新たに選ばれた。
スティーブンスは、主に防衛と製造関連に投資を行っており、最近の投資先には、防衛インフラのハードウェアとソフトウェアを開発する軍事請負業者のGecko Robotics(ゲッコーロボティクス) や、宇宙で光ファイバーケーブルや医薬品などを製造する航空機を開発するVarda Space Industries(バルダ・スペース・インダストリーズ)が挙げられる。
しかし、彼にとって最大の投資の成功は、彼自身がVRヘッドセットのOculus共同創業者であるパルマー・ラッキーと共同で立ち上げた防衛テクノロジー企業のAnduril(アンドゥリル)への投資によるものだ。2017年にファウンダーズ・ファンドがシード資金を提供したアンドゥリルの評価額は今や、100億ドル(約1兆5700億円)に達している。