決算は不振も、株価は魅力的な水準に
スターバックスが発表した2024年度第2四半期の調整後EPS(1株あたり純利益)は0.68ドル(前年同期比8%減)で、市場予想の0.80ドルを大きく下回ったが、これは主に売上高が86億ドル(前年同期比2%減、市場予想も下回る)と低調だったことと、営業利益率が2.4ポイント低下したことによる。スターバックスの第2四半期の営業利益率はわずか12.8%であり、過去10年の平均である15.1%を大きく下回った。また、既存店売上高は4%減となったが、これは総取引高が6%減少したことによるもので、客単価が2%上昇したことで一部相殺された。店舗の営業コストの上昇、販促活動の強化、賃金の上昇が、やや低調な結果の主な原因であった。第2四半期の既存店売上高が最も落ち込んだのは、前年同期比11%減の中国市場だ。スターバックス全店舗のうち18%が中国にあるため、この地域での落ち込みは同社にとって依然として課題となっている。
第2四半期決算が振るわず、スターバックスは通期の見通しを下方修正した。その見通しによれば、2024年度通期の売上高成長率は1桁台前半で、従来の見通しで示されていた前年同期比7〜10%増から下方修正した。
最近のインフレが業績低迷の大きな原因であったことは言うまでもない。SBUXは年初来で約13%近く下落し、同業のマクドナルドも年初来で約15%下落している(いずれも米国時間6月10日現在)。しかし、その下落のおかげで、SBUXのPER(株価収益率)は22倍であり、過去の平均的な水準である20台後半の倍率と比べると魅力的な水準で取引されている。私たちは、スターバックスの株価が長期的には上昇する可能性があると考えている。また、スターバックスは2010年に配当を開始して以来、一貫して増配を続けており、今後も増配が続くだろう。