米イーグル・ヒル・コンサルティングが今月4日に発表した新しい調査結果によれば、要求度の高い仕事をこなすことを常に期待される現代の職場において、燃え尽き症候群を訴える人が最も多かったのはZ世代(54%)とミレニアル世代(52%)だった。
その帰結として、この世代の若者たちは仕事に対する取り組み方を見直そうとしている。ベビーブーマーやX世代とは対照的に、従来の出世コースから身を引いて、仕事と私生活の健全なバランスを取ることを優先しているのである。
出世競争に抗う若者たち
Z世代とミレニアル世代は、いつ、どこで、どのように働くかを決める際に自律性を重んじ、華々しい成功を追い求めるよりも、キャリアに意味と目的を見出そうとする。硬直したヒエラルキー型企業や立身出世を重視する風潮とは、そぐわない価値観といえる。監査法人デロイトの調査では、Z世代の相当数とミレニアル世代の大半が今なお自分のキャリアを帰属意識のよりどころにしているものの、もはや仕事のために総合的なウェルビーイング(心身の健康と幸福)に関して妥協することを望んではいない実態が明らかになった。
フレキシブルさを優先
ワークライフバランスを改善するにはどうすればいいかとの質問に対して、Z世代とミレニアル世代は労働時間の短縮やフレックスタイム制を挙げた。労働時間が短くなれば収入に響き、キャリアアップやスキル開発の機会も損なわれかねないと認識したうえで、だ。両世代における最優先事項は、キャリアアップできる可能性の高いパートタイム職、週4日みっちり働く週休3日制、ワークシェアリングの仕組み、フレキシブルな勤務体系などである。回答者の約75%が総労働時間の短縮に強い関心を示しており、よりバランスの取れたライフスタイルへの欲求が若者の間で高まっていることが浮き彫りになった。
めざすは「一国一城の主」
ギグエコノミーやクリエイターエコノミーの台頭に伴い、企業勤めに縛られるよりも、起業家として自由で柔軟な生き方をしたいと考える若者たちが増えている。人事労務サービスの米ジャストワークスと米調査会社ハリス・ポールが最近行った調査では、雇用状態にあるZ世代とミレニアル世代のうち、実に71%が起業することに「多少」または「非常に」興味があると答えた。
独自の事業を立ち上げることへの断固としたこだわりは、若者世代に深く根づいたイノベーション、独立、自己決定に対する願望と、前人未踏の道なき道を踏み分けて未来の働き方をつくろうとする熱意を反映している。
(forbes.com 原文)