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2024.06.16 10:15

DeepL CEOが語る「開発で重点を置く2つのバランス」

注目すべきAI企業が名を連ねる2024年の「Forbes AI 50」に選出されたドイツのAIコミュニケーション企業、DeepL。5月22日にはIndex Venturesの主導で3億ドルの資金調達を実施し、企業の評価額は20億ドルに達したと発表した。
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さまざまなテック企業が翻訳サービスを手掛けるなか、DeepLの強さの秘訣はどこにあるのか。また、AI開発における課題や懸念をどう捉え、どのように対処しているのか。DeepLの創業者兼CEO、ヤロスワフ・クテロフスキーに聞いた。


──米国のIT企業大手などがこぞって翻訳エンジンを手掛けるなか、DeepLが強さを発揮し続ける理由をどう捉えていますか。

まず、この分野に参入したタイミングが適切だったことが挙げられる。サービスを開始した17年当時は、AIやニューラルネットワークが言語をより深く理解するためのケイパビリティを構築しはじめた時期だった。
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また、創業当初から言語に対して非常に熱い思いを持ち、コミュニケーションを強化したい、支援したいという思いが強かったことも理由の一つだろう。ヨーロッパには多様な言語が溢れている。我々のチームも創業当初から多様性に富んでいて、オフィスの廊下では常にスペイン語やポルトガル語が飛び交っていた。言語が持つ力が世界を変えるという認識を創業当初から強く抱いていた。

以来、我々は基本的にリサーチドリブンな企業であり続けている。企業であるからには、売り上げはもちろん大事だが、AI関連分野の基礎研究にも力を注いでいる。

──DeepL翻訳やDeepL Writeを支えている技術について具体的に教えてください。

主に3つの要素がある。1つ目は、ニューラルネットワークを学習させるためのトレーニングデータ。2つ目は、ニューラルネットワークの構成を定義づけるアーキテクチャーの部分。そして3つ目の要素に、人間の翻訳者や編集者による入力が挙げられる。

これらのうち、我々が特に注力しているのがアーキテクチャーだ。アーキテクチャーを最適化することでAIは文章をより深く理解し、文章をうまく作成できるようになる。

言語翻訳の場合、精度の高さはもちろん重要だが、翻訳した文章が自然に聞こえることも欠かせない。DeepLでは、この2つのバランスを取りながらアウトプットすることに重点を置きながら言語AIを開発している。
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瀬戸久美子=文 DeepL=写真

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