フォーブスが1月にこのベンチャー企業について報じた後、シュミットは社名をひっそりと変更し、開発を加速させた。関係筋によると同社のテクノロジーは、AIを利用して、ドローンが戦場の目標に正確に照準を合わせるのを助けるという。ヒルスパイアのオフィスの近隣の住民は最近、建物の中庭から小型ドローンを飛ばす人物を目撃した。
また、キーウでのシュミットの活動について詳しい2人の人物は、フォーブスの取材に、彼のチームがウクライナ国防省とドローンのプロトタイプのテストを行い、フィードバックを求めていると証言した。
最近、米議員らにウクライナに610億ドル(約9兆5000億円)の軍事支援を提供する対外援助パッケージを承認するよう働きかけたシュミットは昨年、ドローンを用いた戦争を直接見るためにウクライナを訪問し、デジタル転換相のミハイロ・フェドロフから「大胆で英雄的だ」と賞賛された。
「彼は、ウクライナのことを気にかけてくれて、私たちに多くの支援をしてくれています」とフェドロフ大臣はフォーブスに語った。「彼は多くの功績を残した伝説的な人物です」
シュミットはコメントを控えた。
アップルやスペースXから人材引き抜き
ホワイト・ストークのドローン開発は、テック業界の大物の着実な採用に支えられている。同社はここ数カ月で、アップルやスペースX、グーグルなどの大手から少なくとも12人を引き抜いており、彼らの専門分野は、機械学習や航空宇宙、サプライチェーンなどの多岐にわたっている。現在69歳のシュミットは、フォーブスが1月に報じたように、グーグルのムーンショットラボ(革新的な構想の現実化に取り組む研究所)の創設者のセバスチャン・スランらの助言を求めている。また、元アップルの機械学習のマネージャーで、スランが設立したスタンフォード大学のロボット工学ラボの卒業生のヘンドリック・ダールカンプもホワイト・ストークで働いている。
ダールカンプは、昨年10月にアップルを退職した後、シュミットのドローンプロジェクトのために、スランと共同で AI 搭載の視覚ターゲットソフトウェアを開発中とされる。