もしウクライナ側の言うとおりSu-57が損傷し、修理も不可能だとすれば、ステルス機の戦闘での損失は、世界初のステルス機である米空軍のF-117攻撃機が配備されて以来、約40年の歴史で世界2例目ということになる。
最初の損失は1999年、コソボ紛争に介入した北大西洋条約機構(NATO)軍で支援任務にあたっていたF-117を、セルビア軍の創意ある防空部隊が飛行経路を予測して撃墜したものだった。パイロットは脱出している。
Su-57が今回は被弾していなかったとしても、ウクライナは近い将来それを達成できるかもしれない。ウクライナは新たな長距離攻撃ドローンを、ロシアが増える一方の攻撃対象候補を守るため防空システムを追加配備するのよりも早く製造している。
ロシアはすべての司令部や工場、製油所、航空基地などを守るにはレーダーや地対空ミサイルシステムの数があまりに少ないので、難しい選択を余儀なくされている。オーストラリア陸軍退役少将のミック・ライアンは、ウクライナのドローン攻撃によって「ロシアは防空リソースの再評価を強いられている」と指摘している。
そうした再評価の結果、Su-57はウクライナ側がドローンで狙えるほど長い時間、無防備な状態に置かれていたのかもしれない。ほかのステルス戦闘機や高価な兵器もまた、同じようにドローン攻撃の危険にさらされているとも考えられる。
(forbes.com 原文)