女性のポテンシャルが本当に男性よりも低いのかを検証するため、将来性の予測と後日の業績評価とを比較したところ、女性は予測を上回る業績を上げる傾向があった。だが、事前評価をしのぐ業績を上げた女性に対しても、管理職は依然として男性よりポテンシャルが低いとの評価を下していた。「つまり、女性は(同等の評価を受けた男性と比較して)前年の将来性評価を上回る業績評価を与えられながらも、今後のポテンシャルについては低く見積もられ続けているのだ」と研究チームは指摘している。
子育てのために労働時間を減らすことが女性の管理職昇進を妨げているとの考え方は広く支持されているが、この研究では、幼い子どもが家にいるとは考えにくい50歳以上の女性においても、昇進の際に同様の男女格差があることが明らかになった。
この小売企業の研究結果は、女性は男性よりもはるかに高いリーダーシップ・パフォーマンス基準を求められ、管理職適性を見落とされがちだとする別の研究結果とも符合する。この研究では、有能なリーダー候補とみなされるためには、男性はリーダーとしてのポテンシャルを示しさえすればよいのに対し、女性は実際にリーダーシップを発揮してみせなければならないことが判明した。これもまた、CEOに就任した女性が男性より高い報酬を受け取る傾向がある理由の説明になるかもしれない。
要するに、女性がCEOの地位まで到達するには、男性よりも卓越した人材である必要があったというわけだ。
(forbes.com 原文)