欧州

2024.06.08 10:00

防空に強い仏製ミラージュ2000-5戦闘機がウクライナへ 「スホーイキラー」になるか

台湾空軍のミラージュ2000-5戦闘機。2023年11月、台湾北部・新竹で撮影(DLeng / Shutterstock.com)

ロシアがウクライナに対する戦争を拡大した2022年2月時点で、ウクライナ空軍は攻撃機(Su-24とSu-25)や戦闘機(Su-27とMiG-29)をはじめとする作戦機を125機前後保有していた。
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以後、2年3カ月半にわたる激戦でうち80機ほどを失ったが、北マケドニアやポーランド、スロバキアといった旧ソ連衛星国から供与された機体や、長期保管していた倉庫から引っ張り出して修理した古い機体でその大半を補充している。

ウクライナ空軍の航空戦力はさらに増強されようとしている。ベルギー、デンマーク、オランダ、ノルウェーからF-16戦闘機を合計で85機供与されることになっており、数週間後に第1陣が届く見込みだ。

ミラージュ2000に関しては、フランスやほかの使用国、たとえばギリシャなどが、ウクライナのパイロットら人員の訓練を行う必要がある。マクロンはフランスがパイロットの訓練も提供する方針を明らかにしているが、具体的なスケジュールは示していない。供与のペースは機体の確保以上に訓練の進み具合に左右されることになるかもしれない。
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F-16供与の進捗の遅さからすると、ミラージュ2000も引き渡しまでに1年以上かかる可能性がある。とはいえ、ロシアが衝撃的な勝利を収めるか、何らかの交渉で戦争が終結するかでもしない限り、ミラージュ2000はいずれウクライナの1000kmにおよぶ戦線で戦闘に参加することになるだろう。

ミラージュ2000-5の強みはよく知られている。フランス空軍のアンヌ・ラバディ大佐は軍用機の専門誌コンバット・エアクラフト・ジャーナルに、ミラージュ2000-5について「やや古い航空機ですが、用途を特化した航空機です。もっぱら防空任務に用いられる機体であり、搭乗するパイロットはそのスペシャリストです」と語っている。

もしウクライナ空軍がミラージュ2000-5を現在保有していたなら、どう使っているかはありありと想像できる。毎月、3000発もの誘導滑空爆弾でウクライナの軍人や民間人を攻撃しているロシア空軍のスホーイ戦闘爆撃機に対して出撃させ、迎撃させているはずだ。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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