そこで今回は、チャットボット、AIアシスタント、AIエージェントを取り上げ、それぞれの性能や活用事例、企業が期待できるメリットについて解説しよう。
1. チャットボット
チャットボットは、テキストや音声インターフェースを通じて、生身の人間であるユーザーと会話するために設計されたコンピュータープログラムだ。通常は、自然言語処理と機械学習をベースにして、ユーザーが入力した内容を理解し、それに対応する。LLMが台頭したことで、チャットボットは革命的な変化を遂げ、幅広いトピックに関する質問に答えられるようになった。チャットボットが持つ知識は一般的に、トレーニングデータの内容と、情報の最終収集日によって限定されている。
チャットボットは、コンテキスト化されたデータと統合することで、「頻繁に聞かれる質問」に答えられるようになるため、カスタマーサポートに最適だ。チャットボットは通常、ウェブサイトやメッセージアプリ、モバイルアプリに組み込まれていて、インターフェース上で、ユーザーと会話するようなやりとりができる。
チャットボットの典型的な使い道としては、年中無休で対応するカスタマーサービス、よくある質問(FAQ)への回答、注文した製品の追跡や、予約受付といった単純なやりとりがある。
チャットボットをウェブサイトに組み込むことで、サイト訪問者に対応したり、見込み客を獲得したり、ユーザーの行動や好みに応じて個別のマーケティングメッセージを送信したりすることが可能だ。
2. AIアシスタント
AIアシスタントは、チャットボットよりも高度で、用途も広い。文字と音声の両方でやりとりが可能で、さまざまなデバイスやサービスに統合することで、広範囲なユーザー体験を提供できる。AIアシスタントは、ハンズフリー操作に対応可能であるため、マルチタスクのニーズや、アクセシビリティのニーズに対応する際に特に役立つ。AIアシスタントは、ユーザーとのやりとりから学習し、その好みに徐々に適応し、そのユーザーに適した物事やサービスを提供したり、勧めたり、通知したりできるようになっていく。さらに、異なるデータソースやシステムと接続が可能であり、異なるプラットフォーム上で、文脈に応じた高度なユーザー体験を提供することもできる。