ここ数カ月の間に、パウエル議長は、雇用市場の低迷が生じた場合は利下げを行う可能性があることを示唆してきた。パウエル議長は米国の雇用情勢に引き続き自信を示しているものの、雇用市場に対するFOMCの自信が変化すれば、インフレ率が目標である2%まで完全に低下しなくとも、利下げを行う可能性がある。ここ数カ月、雇用市場は冷え込んでいるが、FOMCはこれを懸念材料というよりも、雇用市場のバランスが取れてきたことの表れだと考えている。
利下げはいつ行われるのか?
市場は、最初の利下げが行われるのは9月ではないかと予測している。しかし、現在のところその確率は約50%と予想されているため、確実とは言えない。仮に2024年に2回の利下げが行われるとすれば、2回目は12月になる可能性もある。しかし、繰り返しになるが、これらの予想は今後の経済ニュースによって急激に変化する可能性がある。例えば、債券市場は、2024年に利下げが行われないという可能性も今だ15%あると見積もっている。まとめると、FOMCが6月に利下げを行い市場を驚かせる可能性はほとんどないだろう。しかし一方で、FRBが9月、あるいは少なくとも2024年後半には金利を引き下げる可能性を示すだろうと市場は予想し始めている。
(forbes.com原文)