新興国連合BRICSの動きにも注目だ。当初はブラジル、ロシア、インド、中国の4カ国で発足したBRICSには、翌年に南アフリカが加わり、今では9カ国が加盟する。石油大国サウジアラビアも正式加盟を検討中だ。BRICSの通貨政策はこれまではほとんど意味を持たなかったが、それが変わり始めている。
インドは金価格に連動するソブリン債を実験的に発行している。筆者と共著で『Inflation: What It Is, Why It’s Bad, and How to Fix It(インフレとは何か、なぜ悪いのか、どう対策するか)』を出版した金融専門家のネイサン・ルイスは、「おそらく世界中の投資家に引く手あまただろう。変動相場制が始まった1971年から現在に至るまで、利率4%の金債券は世界中の株式・債券市場を凌駕してきた」とみている。
記録的なハイパーインフレを経験したジンバブエは今年4月、金の価値に裏付けされた新通貨を発行した。ジンバブエ政府に新たな法定通貨を管理できる規律があるかは、はなはだ疑問だ。しかし、この動きは来るべき「金本位制復活」の兆しといえる。
(forbes.com 原文)