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2024.06.07 11:00

「金本位制」復活へ向かう世界 兆しはすでに存在している

公民を問わず債務残高が膨らめば、容易には解消できない危機に火がつくのは避けられまい。今日の世界の債務総額は300兆ドル(約4京6800兆円)を超えている。これは世界の国内総生産(GDP)総額の3倍という驚異的な数字である。

新興国連合BRICSの動きにも注目だ。当初はブラジル、ロシア、インド、中国の4カ国で発足したBRICSには、翌年に南アフリカが加わり、今では9カ国が加盟する。石油大国サウジアラビアも正式加盟を検討中だ。BRICSの通貨政策はこれまではほとんど意味を持たなかったが、それが変わり始めている。

インドは金価格に連動するソブリン債を実験的に発行している。筆者と共著で『Inflation: What It Is, Why It’s Bad, and How to Fix It(インフレとは何か、なぜ悪いのか、どう対策するか)』を出版した金融専門家のネイサン・ルイスは、「おそらく世界中の投資家に引く手あまただろう。変動相場制が始まった1971年から現在に至るまで、利率4%の金債券は世界中の株式・債券市場を凌駕してきた」とみている。

記録的なハイパーインフレを経験したジンバブエは今年4月、金の価値に裏付けされた新通貨を発行した。ジンバブエ政府に新たな法定通貨を管理できる規律があるかは、はなはだ疑問だ。しかし、この動きは来るべき「金本位制復活」の兆しといえる。

forbes.com 原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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