これを受け、インテルの株価は6月4日のプレマーケットで約1.5%上昇した。
インテルのパット・ゲルシンガーCEOは4日、台湾で開催中の台北国際コンピューター見本市(COMPUTEX)に登壇し、同社の新たなチップがAI分野のリーダーであるエヌビディアらに対抗するものになると語った。
ゲルシンガーは、6カ月前に発売された前世代よりも効率的でパワフルな、データセンター向けプロセッサーシリーズの最新モデル、Xeon 6を披露した。
ロイターによると、これらの第6世代チップの最初の製品である「効率」モデルは、4日に発売され、10月までに発売予定のより強力な「パフォーマンス」モデルは、計算集約型のAIモデルやその他のタスクを実行するよう設計されている。
インテルはまた、同社のAIチップ、Gaudi 2およびGaudi 3がエヌビディアなどの競合の製品よりも安価であるとし、自社をAIハードウェアのより手頃な選択肢に位置づけた。ゲルシンガーは、同社の製品の価格が競合に比べて「かなり魅力的」であり、競合他社を圧倒すると語った。
ゲルシンガーは、「インテルのような従来型プロセッサーがAI時代に失速している」というエヌビディアのジェンスン・フアンCEOの主張に真っ向から反論した。フアンは、エヌビディアが提供するようなアクセラレイテッド・コンピューティング関連のツールを使用することで、企業は現代のコンピューティング需要に対応できると述べていた。
「ジェンスンが信じ込ませようとしていることとは違って、ムーアの法則は健在だ」とゲルシンガーは語り、インテル共同創設者のゴードン・ムーアが提唱した有名な理論に言及した。ムーアの法則は、コンピュータの処理能力が時間とともに小型化、高速化、低価格化していく様子を表すもので、約60年にわたって広く受け入れられてきた。しかし、多くの専門家は、今日の高度なテクノロジーとの関連性が薄れてきているのではないかと懸念を強めている。
ゲルシンガーは、インテルがAI革命においても引き続き重要な役割を果たすと語り、その変革を25年前のインターネットの台頭になぞらえた。さらに、「この変革は、2020年代の終わりまでに半導体産業が1兆ドル(約155兆円)規模に達する原動力になると考えている」と付け加えた。
インテルはハイテク業界の巨人であり、数十年にわたりチップ業界をリードしてきたが、多くのライバル企業に追い越され、AIに重点を置いたコンピュータ分野での優位性を維持することに苦戦している。
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エヌビディアとAMDの両社は今週、コンピュータハードウェアの世界最大の生産国である台湾で、次世代チップをそれぞれ発表した。両社は明らかに、AIブームの先頭に立つことを今後の優先事項として狙っている。
(forbes.com 原文)