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2024.06.05 17:00

アップルの「AI搭載iPhone」は買い替え起爆剤になるか? WWDCに期待

Apple CEO Tim Cook delivers remarks during an Apple special event on September 12, 2023 in Cupertino, California. (Photo by Justin Sullivan/Getty Images)

アップルの年次開発者会議、WWDC24の開催が来週に迫る中、JPモルガンのアナリストは、このイベントでアップルの人工知能(AI)技術が、シリコンバレーの競合と同じレベルに達しているかどうかが明らかになるだろうと顧客向けメモで語った。

投資家たちは、アップルの発表がiPhoneの販売の低迷を食い止めることができるかどうかに注目している。

JPモルガンのサミク・チャタジーは米国時間6月4日のメモで、このイベントは、「AIへの投資の遅れが指摘されているアップルが、業界の他社にうまく追いつけたかどうかを明かすものになる」と述べている。

チャタジーは、アップルの発表がiPhoneの「アップグレードサイクルをうまく促進することを期待している」と述べている。そうなれば、ファクトセットがまとめたアナリストのコンセンサス予測によると、今四半期のiPhoneの販売台数は2020年以降で最も低迷することが予想されている中、今回のアップルの発表は同社にとって待望の追い風となるはずだ。

チャタジーは、推定15億人のiPhoneユーザーが既存のスマートフォンを最新モデルに買い替えるというアップグレードサイクルが、マクロ経済の改善によって消費者のAI搭載スマートフォンへの欲求が高まる2025年に先駆け、今年から始まると予想していると付け加えた。

WWDCにおける最大の注目点は、アップルが9月までにSiriやiMessageなどのiPhone向けのアプリケーション全体に生成AIを導入する準備が整ったことを明らかにするかどうかだと、チャタジーは述べている。

もう一つの注目点は、WWDCでの発表が、AIブームに沸く市場でアップルの株価に影響を与えるかどうかだ。モルガン・スタンレーのアナリストのエリック・ウッドリング率いるチームは、「歴史的にWWDCは、アップルの株価を動かす材料になっていないが、アップルが正式に生成AI競争に参入する今年については、状況が異なるだろう」と予測している。

アップルの株価は、4日の取引でわずかに下落したものの、今年の1月以降、史上初の時価総額3兆ドル(約466兆円)超えまであと1%以内の水準を維持している。昨年のアップル株のリターンは7%で、S&P500種株価指数の25%や競合のマイクロソフトの23%のリターンと比べると大きく見劣りするものだった。

今年初めにアップルを追い抜き、世界で最も価値のある企業となったマイクロソフトは、AIへの取り組みを収益成長に結びつけており、第1四半期の純利益は前年同期比で20%増と、アップルのマイナス2%をはるかに上回った。

アップルは、一般向けのAI製品についてあまり多くを語ってこなかったが、同社のティム・クックCEOは2月に、生成AIに「膨大な時間と労力を費やしている」と語った。一方、同社のAIの収益化への不透明な道筋に対する不安感のほか、投資家が最も不満を感じているのは、中国での売上の低迷だ。ファクトセットによると、アップルの中国での売上高は、今年、2022年の過去最高額の742億ドル(約11兆5000億円)を7%下回る見通しだ。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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