興味深いことに、腕時計の輸出個数は120万個と4.2%減少したにもかかわらず、輸出額は4.3%増加しているのだ。つまり、1個あたりの平均価格が上がったということだが、このような高額腕時計が増えている傾向は、高所得者層以外の層が相変わらず高級品の購入に消極的になっている一方で、高所得者層は消費を続けていることを示唆している。
価格が3000スイスフラン(約52万円)以上の腕時計は、金額ベースの輸出が7.8%増であるのに対し、500〜3000スイスフランの価格帯の腕時計は10%減少した。500スイスフラン(約8万7000円)以下の腕時計はわずかに1.2%減と依然として比較的安定している。
この統計データには、各主要市場ごとの輸出額とその増減も紹介されている。
・米国:スイス時計最大のマーケットは、11.6%増の3億3,870万スイスフラン(約589億円)
・中国:主要輸出市場で唯一、7.5%と大幅減少。1億8720万スイスフラン(約330億円)
・日本:主要6市場で最も大きく伸び、13.6%増の1億7210万スイスフラン(約300億円)
・香港:0.2%の微増で横ばい。1億6970万スイスフラン(約295億円)
・シンガポール:こちらも好調で、12.5%増の1億450万スイスフラン(約182億円)
・英国:4.6%増の1億4220万スイスフラン(約247億円)